NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

MVNOに対してeSIMと5Gの開放を総務省が各キャリアに求める

 こんばんは。今回はちょっと遅くなりましたが、総務省が各キャリアに対してeSIMと5GをMVNOに対して開放するようにという方針を出しました。こちらは日本経済新聞の記事からです。

www.nikkei.com

 iPhoneの最新機種や一部Android機でもeSIM対応の機種が出てきました。デュアルSIM対応機種も出てきてはいますが、当該機能が利用不可になっていたりします。

 ここではデュアルSIMに関しては置いておきます。eSIMに関しては、現在IIJmioのみがβ版としてのサービスしか展開していません。「ここで下手にeSIMに対応すると、他者にユーザが流出するのでは?」という懸念があるのかもしれません。現時点で各キャリア(ここでは楽天モバイルも含むものとします)は対応するというアナウンスをしていません。

 現在、IIJmioは6GBのデータ通信専用サービスしか提供していません。このサービスが月1,520円となっています。想定としては、各キャリアで小容量のデータ通信契約をしておき、副回線としてIIJmioのeSIMを契約することで月々の通信費を抑えることが出来るという宣伝をしています。実際にコストを抑えることは可能です。ただ、「eSIMとはどんなもんか?」というお試しで使うには少々勇気の要る利用料金かなという印象です。

 以前、「MVNOはユーザのスマホ主回線契約を狙うのではなく、タブレットでの副回線を取りに行く方がいいのではないか?」というような主張をしたことがあります。

 まさに今回のケースはそれに近いかなと見ています。スマホ主回線で契約しているデータ通信用の容量を超えて使い切ってしまった場合の補完として使うという点は戦略としてアリだと考えます。

 そこに活路を見出せるようにというのが総務省の狙いではないでしょうか。eSIMが普通に使えるようになったら、SIMロックに関しても、ごく普通の光景になりそうです。

 物理SIMでなくていいのは、MVNOの場合、契約時にすぐにSIMが届かないとか、MNPした場合等も使えない時間が大幅に短縮出来るかもという点はあります。

 他に5Gに関しては、来年になれば対応端末が本格的に販売されることになるかと推測します。対応端末が入手出来ても、MVNOに回線を貸しているキャリア側が5Gを活用するための情報提供を適切に行わないと機会損失にもつながりますね。独自サービスが提供出来るようになればと考えます。