NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

病棟にWi-Fi整備となると…(2)

 こんばんは。昨日の続きを少し書いてみようかと思います。病院の場合、話がややこしいのは限られた周波数を電子カルテとインターネット接続という全く異なる2つの用途で使わないといけないという点です。診療という観点からは電子カルテへの無線接続を優先したくなります。しかし、患者サービスという観点からはインターネット接続を優先して考えることになります。

 こうしてみると、電子カルテだけで2.4GHz帯を使って、インターネットと電子カルテの両方で5GHz帯を使うのが現実的落としどころのように思えます。その際には、VLANでSSIDを別にしてやり、マルチSSID対応の無線APでサービスを提供するのがスマートでしょう。

 しかし、これだけでは済まない場合があります。テザリングです。スマホタブレットを使ってWi-Fi接続する場合や、ワイヤレスモバイルルーターで接続する場合が該当します。患者さんがこのような形でインターネット接続を行うことにより、病院として提供するWi-Fi環境にも影響が出ますし、当然電子カルテ側にも影響を及ぼします。場合によっては、患者さん同士のもめ事を引き起こす可能性もあります。

 少なくとも病棟ではテザリングやワイヤレスモバイルルータの利用は控えてもらうようにした方が良さそうです。

 適切な無線LAN設計も必要ですが、問題を引き起こしそうな要素については、事前にシミュレーションしておくことが望ましいです。運用で解決出来る問題か、追加費用が必要な問題なのかの切り分けも行わないといけません。

 病院でのWi-Fi整備はカフェなどでのWi-Fi整備とは事情が異なるので注意が必要ですね。