NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

博士号取得者がもっと評価されてもいいのでは…

 こんばんは。ちょっと寝かしてしまった感のあるネタになりましたが、先日ITproに取り上げられた「年収格差広がるITエンジニア 博士号取得者はビジネススキルも高い」という記事について、少しばかし考察してみます。以下の記事です。

itpro.nikkeibp.co.jp

 ビジネスインサイト・アナリティクス・エンジニアリングについての学歴ごとのスキル平均値が記されています。全ての分野において、学歴が上がるごとにスキル平均値も上昇しています。博士号取得者は全てにおいて高いですね。博士(後期)課程での3〜4年間(場合によってはもう少し長くなりますが…)は決して無駄ではないことが見て取れます。

 ここで気になる点として、「博士号の分野によるバラツキはどれぐらいあるんだろうか?」があります。この記事の表題にはビジネススキルについて謳っています。ビジネススキルに限定して言えば、経済学博士や経営学博士や商学博士等が他の分野の博士号取得者よりも有利だろうと思われます。ただ、母数が少ないであろうということで、分野別には出しづらいだろうというのは想像がつきます。

(注:現在では「工学博士」や「経済学博士」とは表現せず、「博士(工学)」や「博士(経済学)」と表現しますが、便宜上今回は前者の表現とさせていただきます。)

 アナリティクスに関しては、分野関係なく修士以下に比べて平均値が高いのは納得行きます。

 エンジニアリングに関しては、理学博士・工学博士・農学博士・薬学博士・医学博士各々の違いがどれぐらいあるのかという点も気になります。

 このデータに関する分析結果の前に、大学や研究機関以外での博士号取得者の就職が厳しいという話を頻繁に耳にします。博士課程修了時に27歳と、新卒枠で考えた場合には高年齢だとか、専門的知識が深過ぎて組織として使いにくいという話を耳にします。

 それ以外には、先輩や上司が大卒・短大卒・高専卒・高卒で使いづらいという風なことや、博士号取得者の採用経験がなく、どう使っていいか分からないということもあるようですね。昨今では組織内でOJTする余裕がないので、即戦力を求める傾向があるようですから、それなら博士号取得者をもっと雇用してもいいんじゃないかと思います。この記事で書かれているとおりにビジネススキルが高いのであれば、なおさら雇用しない手はないんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか?

 新卒枠としての博士号取得者の採用という観点もありますが、それ以外に社会人大学院進学による博士号取得ももっと推進されてもいいんじゃないかと個人的には思います。

 確かに博士号取得のハードルは高いとは思いますが、社会人大学院ルートがもっと広くなれば、全体の底上げにつながるのではないでしょうか。(そんな私も社会人大学院博士後期課程進学の野望はまだ捨てていませんw)