受注側に医師を・発注側に情報系学位持ちをSE等として雇用するという提案
こんばんは。旭川医大ネタの続きになります。一昨日書いた記事がこちらになります。
karasuma-kitaoji.hatenablog.com
相手側分野のプロが不在という悲劇
発注側(医療機関)と受注側(ベンダ)との相互理解が必要なんですが、それが出来てないという点が最大の問題かと認識しています。以前も書きましたが、ベンダ側に医療のプロがいません。いるのはITには明るいものの、医療現場の経験は皆無といったエンジニアです。医療機関側には医師を筆頭に、看護師・コメディカル・事務職員を含めた医療のプロは存在します。しかし、ITのプロは存在しません。パソコンにちょっと詳しいレベルの事務職員が担当しているケースが多いのではないでしょうか。仮にプロと呼ばれる人がいたとしても、組織側が使いこなせないという問題もあろうかと推察します。
今回の一件では、医療機関側とベンダ側との間にどうしようもないほど大きな溝が存在することがはっきりしました。この上にIT業界独自の問題も乗っかっています。もしかすると、この問題が解決すると、他業界のIT化にも応用できるのかもしれません。
電子カルテベンダはITに強い医師・看護師をコンサルやSEとして雇うべし!
ベンダ側は「医療業界に関する知識があるSEがいる」と言っても、医療情報技師を持ったSEがいるというのが関の山でしょう。実際に医療従事者として働いたわけではありません。どうしても机上理論に終始しがちになります。そこに医療従事者である発注側医療機関がツッコミを入れてくると。「医療現場を分かってない!」という話になり、追加要望の嵐になったということでしょう。
こうツッコミを入れられると言い返せなくなり、発注者側の言いなりになってしまうという結果に陥ってしまうのではないかと推察します。これを解消するには、ITに強い医師や看護師をヘッドハントする必要があると思います。(今回は長くなりましたので、このへんについては別の機会にもう少し書いてみようと思います。)医療現場経験のある人がかかわるのですから、こんなに頼もしいことはありません。ただし、高給を提示しないと来てくれませんよw
これが定着すれば、IT業界全体の底上げにつながらないかという淡い期待もあります。(^^;
医療機関には情報系博士号持ちのSEを雇うべし!
今度は医療機関側です。ベンダ側から見た場合、「きちんと自分たちの要望をまとめ切れないだろ!何がしたいのか分かりやすく伝えろ!」という気持ちがあるのだろうと推察します。相手は医療のプロではあるが、ITに関しては素人ではあります。ここでどうしても齟齬が生まれて、中途半端な代物が出来かねません。無理な要望を吹っ掛けられることもあるでしょう。「SEなんだからちゃちゃっと出来るでしょ?」的な無理解な言葉を投げかけられることもあると思います。
相互の無理解(理解しようにも、完全に異分野でどうにもならない)が障壁になっていますから、医療機関側の要望を上手くまとめてベンダに伝え、ベンダの要望も上手く噛み砕いて自組織内に伝えるという役目を果たす人材が必要になります。
そのためには、情報系のプロを外部から招へいしましょう。出来れば医療情報学で博士(医学)を取得した人がいいのですが。工学や情報学でもいいと思います。
雇用後は、組織内部で事務仕事を優先させて本来の専門性を発揮出来ないようにしてしまわないようにする、そして、医師と対等の権限を与える必要があるかと思います。これが出来ないと絵に描いた餅になってしまいます。
お互いに相手の領域のプロを雇えば幸せになるんじゃないだろうかという提案でした。