NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「賛否両論意見が分かれそうなAM放送存廃論」の続き

 こんばんは。今夜は先日の記事の続きを少し書いてみることにします。こちらは25日の記事です。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 民放連がAM放送廃止を総務省に要請したというニュースについてです。先日の記事で言及してない項目について書いて行きます。

 3.の「近隣諸国との問題」に関しては、韓国・北朝鮮・中国の大陸側からのAM波による混信→受信障害という問題があります。現状でも日本海側都市ですと、上記各国からの混信で地元局も聴きづらいという状況のようです。日本で最大の出力はNHKR2の東京や秋田など4局が500kwで送信しています。それに対し、中国の場合は最大600kwですが、韓国・北朝鮮では1000kwを超える出力の局が複数存在しています。ここでもし、日本がAM放送を完全撤退した場合、どういう状況になるか?という話でもあります。一部の方も指摘しておられますが、国防的観点もあるようです。

 そして、4.の公共インフラとしての役目ですが、AMの方が遠くまで電波が届きやすいというメリットはあります。AMのみの安いラジオも出回っていますし、AMラジオ(ここでは受信機を指す)の方が乾電池の持続時間が長いというメリットもあります。

 より広範に情報伝達が可能という側面もあります。(ただ、送信所が大掛かりになるのと、津波地震でダメージを受けた場合の復旧に時間を要するという問題はありそうです)

 5.は電子工作の入口としてのラジオという意味合いです。私自身は中学時代に技術家庭の時間にAMラジオを組み立てた記憶があります。トランジスタや抵抗・コンデンサやバリコンやコイルなどの部品を基板にはんだ付けして行くことで、組み立てたラジオが鳴ったときは本当に感動しました。こういうところから科学技術へ興味を持つきっかけにもなるのかなとは思いました。FMだと周波数が高いせいで、組み立てづらい面があります。

 6.は現状のワイドFMの周波数帯は90~95MHzまでで、結構過密になっています。瀬戸内海沿いだと、海上伝搬で県境を越えて電波が飛んで行きます。実際問題影響もあるのでは?と思っています。本格的に移行するとなると、i-dioを止めて108MHzまでワイドFMやコミュニティFMに開放する方向にしないと厳しいでしょうね。

 個人的意見としては、賛成でも反対でもなく、それぞれの場合の問題を取り除いたソフトランディングなのかなと思っています。