NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「外注すればしまい」というわけではない話(1)

 こんばんは。3日続けて宇陀市立病院に関する記事を書きました。書いていて気になった点ですが、「ITのことは我々には分からないのでベンダに委託しました」という風に取れる話です。

 プレスリリースを読んでますと、「システム会社の落ち度により、○○していませんでした」というような項目が2箇所見受けられました。

 業務委託すること自体はいいんですが、「よく分からないから全て丸投げ」はさすがに拙いのではないでしょうか。「業務委託しているので、委託業者側の落ち度で我々には責任がありません。むしろ被害者です」という風にも取れる文面はいかがなものかと。

 「私たちはITの専門家ではないので」というのは、まだいいです。専門家ではないからといって、委託業者の監督は怠ってはいけません。「委託業者のやったことですから、私たちは知りません」ではなく、何かあった場合(非常時)にどのように対処すべきかということは、委託業者と取り決めをしておく必要はあります。その点がどうだったのかというのは、現時点での報道では見えてきません。ユーザーとしてやれることをやった上で、何をどのようにどういう手順で誰に連絡するかとか、どういう手順で公表するかとか、決めておくべき事項はいろいろあったように思われます。

 このプレスリリースでも分かりますように、「委託業者の監督」という手綱は絶対に手放してはいけません。外注するということが全て手放していいということにはなりません。免罪符にもなりません。このあたりがもっと徹底される必要がありそうです。

 ここでは業務委託の話ですが、派遣などでも派遣元は派遣した労働者をほったらかしにしてはいけません。「客先に送り込んだから、後のことは知らない」ではいけません。業務委託の場合は委託業者の監督を、派遣の場合は派遣労働者の管理権限を手放してはいけません。