NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

宇陀市立病院(奈良県)で電子カルテマルウェア感染(3)

 こんばんは。今回は電子カルテ導入・更新関係でのトラブルを振り返るということで、過去に書いた東大病院での事例を振り返りつつ、宇陀市立病院での電子カルテマルウェア感染騒動がどのような形で収束して行くのかを考察してみることにします。

 まずは、東大病院電子カルテ問題に関する以前の記事を挙げておきます。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

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 東大病院の場合は、独自仕様の電子カルテを汎用の電子カルテに乗り換えたことに付随するトラブルでした。今回の宇陀市立病院のトラブルに関しては、パッケージのカスタマイズ云々という話は特に聞こえてきません。狭義の構築という話ではなく、どちらかというと運用フェーズに関わる問題だと考えています。

 別の視点から捉えてみると、東大病院の場合はユーザーサイドの使い勝手に関わる問題が中心になっていました。宇陀市立病院の場合は情報システム部側の問題とも言えそうです。後者では、ウイルス対策ソフトウェアの最新版へのインストールし直しや、バックアップ用テープのセットし忘れなどでしたね。この場合、病院側の情報システム部の動きや存在そのものが気になります。どこまでをベンダが担当するのか、病院側はどこまで担当するのかという線引きが記事からは読み取れません。一般的管理作業を外注化しているのか、病院職員側が行っている仕事はどのへんかが見えてくることで原因の根幹がはっきりしてくるのではないでしょうか。

 こうしてみると、共通しているのは「情報システム部(病院)とユーザー(病院職員)と電子カルテベンダの密な連携の必要性」でしょうか。他人任せな姿勢が思わぬ事故を生む結果になるのではないでしょうか。