NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

FM PORT閉局に関する考察(2)

 こんにちは。先日の続きを少し書いてみることにします。他にも書きたいネタはありますので、ボチボチ進めて行きます。<(_ _)>

 前回の記事はこちらです。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 新潟県の経済規模と地理的条件(東京や大阪などの大都市に放送波が直接届かない)を考えると、独立系FM局の維持は厳しいということは分かりました。スポンサー獲得のハードルが高いです。既存2局(AM1局・FM1局)が押さえているパイを奪い取るor新規開拓もしんどいことは想像に難くないです。

 「リスナーが増えないことには、スポンサー確保も厳しい」という問題があります。この状況を打開出来るかもしれないツールとして、「radikoプレミアム」が登場しました。「エリアフリー」というやつですね。月385円(税込)を払えば、一部のFM局を除く全国各地のラジオ局が聴取可能というサービスですね。

 こちらにラジオ局側が参加すれば、全国のradikoプレミアムユーザーに聴いてもらえる機会があります。

 ただ、これを「在京キー局ばかりが聴かれるようになるから、地方局は不利になるんじゃないか?」と捉えるケースもあるようですが、逆もあり得るという発想が出来るかどうかで明暗分かれるのではないでしょうか。

 悪いことばかりではなく、夜間混信が激しくて受信が厳しい局をサービスエリア内外で安定して聴けるようになったり、在阪・在名を含めた在京キー局以外の局でエリア外から聴こうとするリスナー開拓につながったりします。他には、琉球放送ラジオ沖縄FM沖縄のように、独特のカラーを持つ地域の受信困難だった局が聴かれるようになるケースもあります。別のケースとして、他地域で就職した人が出身地の局を聴くということも考えられそうです。

 「キー局からのネットを受けられない」という点を逆手に取って、全国のradikoプレミアムユーザーに訴えかけるという戦略はあったのかもしれません。しかし、前述の沖縄各局のように「他地域から見た分かりやすい地域性」が弱いこともあったのでしょうか。東京・大阪周辺の各局の区域外リスナーを奪い取れるほどのコンテンツはなかったのかもしれません。(これを強め過ぎると、地元リスナーから反発を喰らいそうです)

 そう考えると、閉局という選択にならざるを得なかったのかなと考え込んでしまいました。

   

FM PORT閉局に関する考察(1)

 こんばんは。今回は6月30日に閉局したFM PORT新潟県民エフエム放送)について少々書いてみることにします。同日閉局したRadio NEOの話は別の機会に書いてみます。

 さて、FM PORTは、2000年12月に新潟県に2局目の民放FMとして開局しました。当時の噂として、「新潟県5局目の民放テレビ局が流れたので、代わりに2局目の民放FM局が出来た」というような話がありました。(真偽のほどは定かではないですが)

 当時、同一都道府県内に民放FM局が2局以上あるのは、東京・大阪・愛知・福岡・北海道の5都道府県でした。5大都市圏以外の地域に2局目が開局する初めてのケースでした。「(経済規模的に見て)本当にやって行けるのか?」「人口・経済規模的には広島・宮城・静岡の方が先なんじゃないか?」という風に捉えていましたが、免許を与えて開局したからには、それなりの勝算はあったのでしょう。(たぶん)

 開局4年目の2003年時点で既に赤字経営だったそうです。その後、一度も黒字化出来ずに閉局となったそうです。

 原因の1つかどうか分かりませんが、ライバル局のFM新潟に比べるとサービスエリアが狭かったそうです。中継局数が少なく、このへんも後発局のハンデになっていたのかもしれません。新潟県は広いですから、大阪や香川のように親局だけで府県全域カバーというわけには行かないのがつらいところです。

 人口も222.7万人(2019年7月1日現在)だそうで、民放FM2局地域の北海道の人口(528.1万人 2019年5月31日現在)の半分以下です。リスナーとなる絶対数が少ないのはハンデでしょう。「この時点でかなり厳しいのでは?」と思っていました。

 AMも含めた民放ラジオ局という括りで考えると、「AM2局FM1局が共存している沖縄はどうなんだ?」という疑問が湧いてきます。沖縄県の人口は145.7万人(2020年2月2日現在)です。新潟より人口の少ない沖縄県で民放ラジオ局3局が共存出来ている理由の1つは、「3局共なにがしかのネットワークに所属している」というところでしょうか。キー局の番組をネットすれば、広告収入も入ってきますし、自力でスポンサーを探さなくてもいいというメリットはあります。

 ここでFM PORTに話を戻します。同局は初期はJFLJ-WAVE系)だったのですが、ほどなく脱退し、独立局として運営していました。独立局ということは、制作コストもかかるし、自力でスポンサーを見つけて来ないといけないという大きなハンデを背負うことになります。経済規模も東京や大阪ほど大きくありません。しかも、ライバル局が2局もある…。二重三重のハンデを背負わされることになります。

 こう考えてみると、勝ち目がないということになります。そこで、radikoの登場が影響を及ぼすことになる…のでしょうか???

(続く)

公的機関が事業ごとに汎用ドメインを取得する問題(1)

 こんばんは。7月5日投票の東京都知事選があります。PR用にWebサイトが開設されていますが、そのドメインが 2020tochijisen.tokyo となっています。https://2020tochijisen.tokyo にアクセスすると、東京都選挙管理委員会と出てきます。トップページ最下部に東京都庁の連絡先が記述されています。

(余談になりますが、公開されてすぐの頃は、以下のようなことが起きていたようです。)

xtech.nikkei.com

(現在は改善されていますが、httpとhttpsで表示されるコンテンツが異なるという凄まじい状況にあったそうです…。)

 さて、話を戻します。

 こちらは東京都庁が管理しているサイトということになります。東京都選挙管理委員会が今回の選挙に向けてドメインを取得したことになります。東京都に関する内容なので、 metro.tokyo.lg.jp 配下にWebサイトを開設すれば良さそうなものですが、何故わざわざ汎用ドメインを取得したのでしょうか?

 「metro.tokyo.lg.jp 配下に作成するために申請する手間が面倒だ」「汎用ドメインの方が楽だ」「自由に名前をつけられて分かりやすい」とかいうような理由ではないかと邪推しています。

 「実際、lg.jp配下にサブディレクトリを作ったり、2020tochijisen.metro.tokyo.lg.jp とかいうようなサブドメインを申請しても、決裁が下りるまで時間がかかってしまう。」というようなこともありそうです。上記の記事を読んでいても、「1ヶ月程度で閉じるさいとであること」「いち早く開設すること」が理由として挙げられています。

 となると、ある程度推測は正しいのかなという風に思えてきます。

 ここで問題なのは、「1ヶ月程度で閉じるサイトだから、ドメインは使い捨てでいい」とう認識を担当の都庁職員が持っていないかという点が気になります。

 都知事選が終了したら、このサイトは不要になります。ドメインも管理料は支払を止めればいいぐらいにしか考えてなさそうです。

 「一旦手放したドメインは、他の誰かが利用することを妨げない」ということを理解しているのでしょうか。過去にも一時的に作ったドメインを事業終了後に手放して、出会い系サイトや怪しげなサイトにドメインを再取得されたというケースが散見されました。

 公的機関がドメインを取得した場合は、極端かもしれませんが、サイト廃止後も10年以上はドメインを保持する覚悟がないといけないと考えています。上記のような「事故」を起こさないようにするためには、lg.jpドメイン配下にサブドメインを作るか、当該Webサーバの配下に事業用(今回の場合は都知事選広報)ディレクトリを作成するかという方向で考えるべきです。

 今回は一般論で書きましたが、次回はあまり語られていない関連する問題について書いてみます。

楽天モバイルUN-LIMITを契約してみました(3)

 こんばんは。もう少し楽天モバイルに関する記事を書いてみることにします。前回の記事はこちらです。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 前回の記事に書きましたが、「ネットワーク選択」の表示で「440 11」が表示されれば楽天モバイル自前回線だということのようです。

 この土日で、たまたま楽天まモバイル自前回線エリアで電波を掴んだのですが、その際の楽天モバイル回線側の「ネットワーク選択」の表示で「Rakuten」が2件表示されました。これだけではどちらが自前回線なのか、auローミング回線なのか見分けがつきません。(440 11と表示されませんでした)「自動」にすると、どちらを掴んでいるか判断がつきません。(だから「自動」なんですけどね。(^^;)

 iPhone自体が楽天モバイル的には正式対応扱いではないために、「my楽天モバイル」アプリも存在しません。自前回線を掴んでいるかどうかをオンタイムで知る方法が見つかりませんでした。

 と、バッテリーの消費が激しいのが気になっていました。主回線(IIJmiodocomo回線)と副回線(楽天モバイル)の両方の基地局を探している状態だと、主回線のみの場合に比べて消費量は多くなるのは不可避ですね。

 自前回線を掴めていない状態ですので、とりあえず「モバイル通信プラン」の「楽天モバイル」をオフにしておきました。自宅周辺が確実に楽天モバイル自前回線エリアに入らないと、(使い放題であると)安心して使えないという問題はありますね。

 しばらくは様子見でしょうか。

楽天モバイルUN-LIMITを契約してみました(2)

 こんばんは。楽天モバイル「RAKUTEN UN-LIMIT」を先週土曜日に契約してきました。このあたりのお話は前回書きました。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

  使い始めて1週間になるわけですが、現時点での感想を一言。

楽天モバイル自前回線の電波が受信出来てません!」

 現状では、auローミング回線を掴んでいます。なので、5GB/月の制限を受けてしまいます。5GBを超過してしまった際には、速度が1Mbpsになってしまいます。

 現状、eSIMでiPhone SE(第2世代)で使っています。契約時に店頭のスタッフの方と一緒に設定をしてみました。(スタッフの方もeSIMでのiPhoneへの設定は初めてだったので、「手順を追ってみたい」ということで一緒に設定してみました)

 一応流れとしては出来たのですが、iPhone側の「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プラン」で副回線(楽天モバイル)が認識されるのですが、電話番号が何故か表示されない!

 後で分かったのですが、auローミング回線を掴んでいる状態では、電話番号が表示されないのだそうです。これに関しては、梅田に出る用事があったので、その際に楽天モバイル自前回線エリア内に入れましたので、無事に表示されるようにはなりました。

 ここで問題なのですが、楽天モバイル提供のエリアマップで自社回線エリア内と記されていても、実際に掴んでいるのはauローミング回線だったりするという非常に残念な状況ではあります。他のブログなどでも言及されていますが、iPhoneの受話器アイコンを押して、*3001#12345#*と入力することで確認出来ます。

(具体的には、入力後に受話器アイコンを押して、「LTE」→「Serving Cell Info」→「freq_band_ind」を選択します。)

 ここで「3」が表示されれば、楽天モバイル自前回線なのですが、残念なことに「18」を掴んでいます。

 もう一つの確認方法として、「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プラン」→「副回線」→「ネットワーク選択」を選択します。ここで「自動」をオフにします。

 ここで、「440 11」が表示されれば楽天モバイル自前回線を掴んでいます。

 試してみたところ、「Rakuten」としか表示されず、ここからは自前回線なのか、auローミング回線なのかが判断出来ないという状態です。orz

 まだ書きたいことはあるのですが、現時点では「楽天モバイル自前回線を掴んでないので、良し悪しを判断出来ない」といったところです。

 

楽天モバイルUN-LIMITを契約してみました(1)

 こんばんは。詳しいことは後日改めて書いてみようと画策中ですが、昨日(6/13)楽天モバイル UN-LIMITを契約しました。

 「契約日から1年間無料で使える」ということと、「楽天モバイル回線が一体どれぐらい使える代物なのか?」という点も気になっていました。基本的にiPhone楽天モバイルとしては動作保証外です。しかし、eSIM対応のiPhoneまたはiPadでは使えると謳っています。(物理SIMを使えば、それ以外の機種でも一部動作可能な端末はあるらしいです)

 ただ、Web上で手続を行うと、本人確認に時間がかかったというケースがあったという事例も(ネット上に)書かれていました。

 他に、ポイントによる事務手数料の事実上のキャッシュバックも受けられないということもありましたので、リスク回避の意味合いも兼ねて、敢えて店頭契約してきました。スタッフの方によると、eSIMでのiPhone利用前提の契約は2件目だというお話でした。そのようなこともあり、「一度契約→接続確認までの流れを見ておきたい」とのことで、一緒にゴソゴソしましたw

 実際に導入したのは、先日購入したiPhone SE(第2世代)です。事前に楽天IDを登録しておき、ある程度調べて行きましたので、比較的スムーズに事が運びました。

 余談になりますが、iPhoneQRコードを読み込んでeSIMを有効化させるプロセスがあります。スタッフの方に「他の端末あります?」と聞かれて、iPad mini 5を持っていましたので、そちらでQRコードを表示させることが出来ましたので、すんなりとiPhoneで認識出来ました。もし、eSIMでiPhoneを利用するという前提で店頭で契約される場合は、もう1台スマホタブレットを持参することをオススメしますw

 当日は無事に接続は出来たのですが、2点引っかかる点がありました。電話番号が表示されなかったことと、楽天回線でつながっていなかった(パートナー回線=auローミングでの接続)という点があります。このあたりをはじめ、続きを次回以降書いてみる予定です。

SMS代理受信による2段階認証代行で逮捕

 こんばんは。いろいろ気になるニュースはあるんですが、どうも馬力不足でなかなか記事が書けないという状況に陥っています…。orz

 今回取り上げるネタはこちらです。2段階認証突破のために、SMS代理受信を請け負って逮捕された40代女性に関する記事です。こちらはYahoo!ニュース(朝日新聞デジタル)の記事からです。

news.yahoo.co.jp

 よくありがちなSMSを使って送られてきた情報をWeb経由で入力して認証したりする…というアレですね。

 この記事によると、犯人の女性はMVNOで複数のデータ通信+SMS対応SIMを契約していたようです。音声対応SIMだと、本人確認がシビアだったりすることもあり、12ヶ月継続して契約しないと違約金を取られるケースの方が多いようです。

 それに比べて、データ通信専用SIMだと、そこまでシビアではないです。契約期間も契約の翌月までは使えばいい(後は解約料無料)というケースが多いようです。

 なので、比較的複数契約もしやすいのでしょう。データ通信+SMS対応SIMはdocomo回線を使っていると、データ通信専用SIMに比べて若干(140~150円程度)高めになりますが、au回線だとデータ通信専用SIMもデータ通信+SMS対応SIMも同額だったりします。犯人もau回線のデータ通信+SMS対応SIMを使っていたのだろうと推測しています。

 「複数回線を所持していた」とありますので、1つのMVNOと契約していたのではなく、複数のMVNOと契約していたのではないかと推測出来ます。

 一番心配なのは、これを契機にデータ通信+SMS対応SIMの契約が厳しくなるのではないかという点です。タブレット端末で使うことも多そうですし、サブ機として使うスマホに挿して使うことなども考えられそうです。(通話はしないけど、SMSは使うというような用途も考えられそうです)

 iPadやノートPCだと、SMSを使うことはありませんので、データ通信専用SIMでいいので関係ないですが、データ通信専用SIMまでとばっちりで規制を喰らうのではないかと少々心配しています。

 こういう事件が起きると、SMSを2段階認証に使うことに対する見直しが入ってきそうです。