NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

FM PORT閉局に関する考察(1)

 こんばんは。今回は6月30日に閉局したFM PORT新潟県民エフエム放送)について少々書いてみることにします。同日閉局したRadio NEOの話は別の機会に書いてみます。

 さて、FM PORTは、2000年12月に新潟県に2局目の民放FMとして開局しました。当時の噂として、「新潟県5局目の民放テレビ局が流れたので、代わりに2局目の民放FM局が出来た」というような話がありました。(真偽のほどは定かではないですが)

 当時、同一都道府県内に民放FM局が2局以上あるのは、東京・大阪・愛知・福岡・北海道の5都道府県でした。5大都市圏以外の地域に2局目が開局する初めてのケースでした。「(経済規模的に見て)本当にやって行けるのか?」「人口・経済規模的には広島・宮城・静岡の方が先なんじゃないか?」という風に捉えていましたが、免許を与えて開局したからには、それなりの勝算はあったのでしょう。(たぶん)

 開局4年目の2003年時点で既に赤字経営だったそうです。その後、一度も黒字化出来ずに閉局となったそうです。

 原因の1つかどうか分かりませんが、ライバル局のFM新潟に比べるとサービスエリアが狭かったそうです。中継局数が少なく、このへんも後発局のハンデになっていたのかもしれません。新潟県は広いですから、大阪や香川のように親局だけで府県全域カバーというわけには行かないのがつらいところです。

 人口も222.7万人(2019年7月1日現在)だそうで、民放FM2局地域の北海道の人口(528.1万人 2019年5月31日現在)の半分以下です。リスナーとなる絶対数が少ないのはハンデでしょう。「この時点でかなり厳しいのでは?」と思っていました。

 AMも含めた民放ラジオ局という括りで考えると、「AM2局FM1局が共存している沖縄はどうなんだ?」という疑問が湧いてきます。沖縄県の人口は145.7万人(2020年2月2日現在)です。新潟より人口の少ない沖縄県で民放ラジオ局3局が共存出来ている理由の1つは、「3局共なにがしかのネットワークに所属している」というところでしょうか。キー局の番組をネットすれば、広告収入も入ってきますし、自力でスポンサーを探さなくてもいいというメリットはあります。

 ここでFM PORTに話を戻します。同局は初期はJFLJ-WAVE系)だったのですが、ほどなく脱退し、独立局として運営していました。独立局ということは、制作コストもかかるし、自力でスポンサーを見つけて来ないといけないという大きなハンデを背負うことになります。経済規模も東京や大阪ほど大きくありません。しかも、ライバル局が2局もある…。二重三重のハンデを背負わされることになります。

 こう考えてみると、勝ち目がないということになります。そこで、radikoの登場が影響を及ぼすことになる…のでしょうか???

(続く)