公的機関が事業ごとに汎用ドメインを取得する問題(1)
こんばんは。7月5日投票の東京都知事選があります。PR用にWebサイトが開設されていますが、そのドメインが 2020tochijisen.tokyo となっています。https://2020tochijisen.tokyo にアクセスすると、東京都選挙管理委員会と出てきます。トップページ最下部に東京都庁の連絡先が記述されています。
(余談になりますが、公開されてすぐの頃は、以下のようなことが起きていたようです。)
(現在は改善されていますが、httpとhttpsで表示されるコンテンツが異なるという凄まじい状況にあったそうです…。)
さて、話を戻します。
こちらは東京都庁が管理しているサイトということになります。東京都選挙管理委員会が今回の選挙に向けてドメインを取得したことになります。東京都に関する内容なので、 metro.tokyo.lg.jp 配下にWebサイトを開設すれば良さそうなものですが、何故わざわざ汎用ドメインを取得したのでしょうか?
「metro.tokyo.lg.jp 配下に作成するために申請する手間が面倒だ」「汎用ドメインの方が楽だ」「自由に名前をつけられて分かりやすい」とかいうような理由ではないかと邪推しています。
「実際、lg.jp配下にサブディレクトリを作ったり、2020tochijisen.metro.tokyo.lg.jp とかいうようなサブドメインを申請しても、決裁が下りるまで時間がかかってしまう。」というようなこともありそうです。上記の記事を読んでいても、「1ヶ月程度で閉じるさいとであること」「いち早く開設すること」が理由として挙げられています。
となると、ある程度推測は正しいのかなという風に思えてきます。
ここで問題なのは、「1ヶ月程度で閉じるサイトだから、ドメインは使い捨てでいい」とう認識を担当の都庁職員が持っていないかという点が気になります。
都知事選が終了したら、このサイトは不要になります。ドメインも管理料は支払を止めればいいぐらいにしか考えてなさそうです。
「一旦手放したドメインは、他の誰かが利用することを妨げない」ということを理解しているのでしょうか。過去にも一時的に作ったドメインを事業終了後に手放して、出会い系サイトや怪しげなサイトにドメインを再取得されたというケースが散見されました。
公的機関がドメインを取得した場合は、極端かもしれませんが、サイト廃止後も10年以上はドメインを保持する覚悟がないといけないと考えています。上記のような「事故」を起こさないようにするためには、lg.jpドメイン配下にサブドメインを作るか、当該Webサーバの配下に事業用(今回の場合は都知事選広報)ディレクトリを作成するかという方向で考えるべきです。
今回は一般論で書きましたが、次回はあまり語られていない関連する問題について書いてみます。