NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

博士号取得者を活かせないのは企業だけではないのでは…

 こんばんは。衝撃的な記事がありましたので、今回取り上げることにしました。日本系座新聞の記事からです。

r.nikkei.com

 博士号取得者がこの10年で16%減だということだそうです。しかも、主要国では博士号取得者が急増しているにも関わらず、日本だけが減少しているという現実があります。

 10年以上前の大学院重点化で定員は増えたものの、行き場(就職先)がないという問題が発生しました。ポスドクであったり、任期付助教や准教授であったりと、不安定な環境に置かれる先輩たちを見ていて、博士(後期)課程に進学せずに修士で就職してしまうのがベターだというような流れになっています。

 博士の専門性が日本企業(官公庁でもそうでしょうね。企業・官公庁以外の他の組織でもそうでしょうが)では活かせない・活かす方法論を持ち合わせていない・活かす気がないというのも大きいのでしょう。

 ストレートで博士号を取得出来たとして27歳。「新卒にしては歳喰ってる」という理由だけで弾いていることもあるでしょう。最も問題なのは、雇う側に博士号持ちが(ほとんど)いないということでしょうか。博士の持つ専門性やポテンシャルが理解出来ないから、「専門バカ」だの「お勉強は出来るんだけど、コミュニケーション能力に欠ける」とかなんとか理由をつけてお祈りしているのが現状ではないでしょうか。

 バブル崩壊前ぐらいまでは、博士どころか修士ですら持て余すような扱いだったと記憶しています。当時のボリュームゾーンは学部卒でしたし、そうなると、人事採用側が学部卒ばかりということも容易に想像出来ます。となった場合、修士・博士を評価出来ないから要らないというようなことが起き得ます。

 で、その結果が現状なわけです。非常に拙いです。資源がない国ですから、高度人材を養成しないと縮小再生産の一途でしょうね。

 ここで博士にも一律にコミュニケーション能力云々とか言わず、入社時に無駄な研修させて腐らせないように考えないといけないでしょうね。「博士の専門性をどうやって引き出すか」を真剣に考えないと、将来は暗いのではないでしょうか。