NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

いよいよMVNOの買収・合併が本格化?

 こんばんは。電子カルテ関連のお話や、iOS11関連の話や、KSKロールオーバー関連や、情報処理安全確保支援士ネタなど書きたいことはいろいろあるのですが、今回は気になった記事がありましたので、そちらを取り上げます。(上記ネタは明日以降書いてみようと思います。しばしお待ち下さいませ。)

 「MVNOは儲からない」という記事です。マイナビニュースからです。

news.mynavi.jp

 記事を読んで、「確かになぁ…」という気がしました。FREETELプラスワン・マーケティング)が楽天モバイルに買収されるニュースを聞いて、「契約数を稼がないと厳しいんだろうなぁ」と感じました。楽天モバイル自身も5億強を支払って、かつ12億ほどの負債を引き継いででも買収したというのは、楽天モバイル側も事業を畳むわけにも行かず、契約者数的にも3位浮上が可能なので、敢えて買収に踏み切ったのかなと見ています。

 この記事にもあるように、現在MVNOは消耗戦に突入していて、体力勝負なフェーズに入っているように見えます。今年だけでもNifmoやビッグローブ、今回のFREETELなどの有名どころが軒並み買収されましたね。IoT特化のソラコムもKDDIに買収されましたが、このケースは少し事情が異なるのでここでは敢えて触れません。

 契約者数的には、この記事にもあるように、OCNとIIJmioが100万人超ということのようです。データ専用SIMで900円、音声SIMで1600円(いずれも税抜価格)で提供しているのですから、回線利用料を考えると、1契約で儲かる金額はしれていることが容易に想像がつきます。

 そうなると、「とにかく契約者数を確保する」という方向に走ることになります。今回のケースのように体力的に厳しくなってきている他事業者を買収するのが手っ取り早いです。が、どうもそう単純な話ではないのではないかとも思えます。

 この記事にもあるように、シェア順に事業者を並べると、OCN・IIJmio楽天モバイル・mineo・ビッグローブとなります。(FREETEL買収後)

 楽天モバイル以外は大手通信キャリアまたはISP系ですから、通信に関するノウハウや技術力は持っています。特にIIJmioiPhone新機種やiOSメジャーバージョンリリース時に速攻で検証結果を公開しています。このあたりのところが非通信キャリア・ISP系の楽天モバイルに出来るのか?という点でしょうか。mineoもIIJmioと仲がいいようで、IIJmioミーティングにmineoの方がゲスト出演されることもありました。リアル店舗や宣伝広告も大事でしょうが、サービスのクオリティを確保出来るだけの技術力が最も重要なのではないかと思います。ここをどうやって確保して、限られた椅子に座れるのかが楽天モバイルの今後の明暗の分かれ目なんだろうと思います。

電子カルテ発注側と受注側それぞれの問題点(序章)

 こんばんは。昨日、旭川医大での電子カルテシステム更新に関する発注側と受注側での追加要望についてのトラブルで裁判沙汰になり、札幌高裁での二審判決に関連して少し記事を書きました。こちらです。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 システム導入時には業界問わず、大なり小なり追加要望でもめることはあるかと思います。どの業界でも共通しているかもしれませんが、後出ししてきた追加要望に対して、「これぐらいパソコンでちゃちゃっと出来るでしょ?」的に安直に考えて依頼してくるケースが後を絶たないようです。しかも「無料で」とか言い出して。人件費だってタダではないですし、開発コストもそれなりにかかります。自分の関係している業界以外のことを軽く考える傾向にあるからでしょうか。こんなことを平気で言ってしまうのは。逆の立場で考えてみて下さい。「医師なんだから、こんな病気ぐらいちゃちゃっと治して下さい!」と言われたらムカッときますよね。なんでしょうね。この感じ。相手に対するリスペクトのない国なんでしょうかね。日本って。

 それはさておき、今回の一件で「発注側にも責任がある」ということが明確になったことは判決の意味合いは大きいと思います。

 この点についてもう少し掘り下げてみますので、明日以降に続きを書いてみたいと思います。少々お待ち下さい。いろいろ思うことがありまして。

「ユーザー=お客様」という立ち位置がシステム導入では通用しないんじゃないか?という判決

 こんばんは。今回はシステム導入に関するベンダとユーザーの間の揉め事の顛末についてです。以下はITproの記事からです。

itpro.nikkeibp.co.jp

「簡単に出来るでしょ?」という意識が追加要望連発の原因?

 旭川医大電子カルテ更新を実施するために入札を行い、NTT東日本が落札しました。それから電子カルテ更新に向けた一連の作業が始まるわけですが、ここにいろいろ問題がありました。一般的には、落札した時点での仕様書に基づいてシステム導入が行われるわけですが、ここで旭川医大側が追加開発の要求を連発したそうです。

 まぁ、ありがちなお話ですねぇ。私自身もユーザー側の立場で電子カルテ導入に関わったことがあります。追加要望ってのは多いんですよね。ええ。

 よく使われる喩えで、ラーメン屋で味噌ラーメンを注文しておいて、後からチャーシューやコーンや煮卵を追加注文したりする様子が挙げられることがあります。これだけならまだいい方で、注文の品が出てくる直前で豚骨ラーメンに変更したり、追加料金は払わないと言い出したりするようなものだという酷い喩えもあります。

 飲食店なら「こんなふざけたことはあり得ない」と言われるようなことでも、システム開発界隈では往々にして起こり得ることなんですよね…。orz

 この記事では、さらに病院側とベンダ側との会議で現行システムの機能継承をある医師が声高に要求し、他の医師も同調したのだそうです。結果、追加要求をベンダ側は飲み、稼働時期延期で合意したとあります。

 医療業界の特殊性もあるかもしれませんが

 他の業界がどうかは分かりませんが、医療機関の場合は医師の力が強いという事情もあります。しかも声の大きい医師がいると、そちら側に引きずられることも往々にしてあります。そのため、どうしてもベンダ側が一方的に叩かれる(要求を飲まされる)というような形になることが多いです。と、日頃から「先生、先生」と持ち上げられることも多いですし、偏差値社会のチャンピオンですから、高圧的な態度に出る方が多くなる傾向にあります。(もちろん、低姿勢で理解のある先生方も多いのも事実です)

 他の業界でも大なり小なりあるかもしれませんが、電子カルテシステムの場合は特に「医療のプロがベンダ側にいない」ということが大きいように思います。発注者側である病院(≒医師)側から見た場合に「医療を知らないド素人風情が」と映るのかもしれません。確かにベンダ側に医師免許を持ったSEがいるというような話を聞いたことがありません。(逆に病院側にIT関係の高度な資格を持ったSEも少ないということもありますが、これらについては別の機会に書くことにします。)

 発注者側としても、「ITには詳しいだろうけど、本当の医療現場を知らない者が作ったシステムは正直どうなのだろうか?」という気持ちがあるのかもしれません。これを解消するには、ベンダ側に医師経験者や看護師経験者などをヘッドハントしてSEとするか、医療情報学で博士号(医学)を持ったSEを自前養成するか、ヘッドハントするかなんだろうと思います。

 その前に、IT関係のエンジニアの待遇を大幅に向上させる必要があるのは間違いなさそうです。

 忘れてはいけない4つのポイント

 さて、今回の判決を受けて、重要なことは

  • 発注の時点で追加要望が出ないように仕様を確定させる
  • ベンダ側も無茶振りには毅然とした態度で断る
  • 追加要望には相応のコストと時間が発生する
  • 「お客様」ではなく、一緒にシステムを構築する気持ちで臨む

 あたりでしょうか。これらが徹底されれば少しは変わるかもしれませんね。 

楽天がFREETELを買収~果たして生き残るMVNO事業者は何社?~

 こんばんは。今月26日に楽天FREETELを買収するという報道がありました。以下はITmediaからです。

www.itmedia.co.jp

 いやぁ、FREETELも経営状態がかなり厳しかったんですねぇ。売上が43億に対して、負債が売上の約7割の30億ですか…。「業界最速の通信速度」という表現でいろいろ物議を醸しましたよね。まぁ、docomoから回線を借りている以上、大家(docomo)を超えることはないわけですが、それはさておき、表現は拙かったのではないかという点は否めません。「とにかく話題になりさえすればいい」という戦略のような印象だっただけに、個人的には「自転車操業だな」と冷ややかに見ていました。

 なんとなく「来るべき時が来たな」といった感じがしました。BIGLOBEKDDIに買収されたときもそうでしたが、MVNO事業自体もそこまで儲かる代物ではありませんから、体力勝負なフェーズに入ってくることを予測しています。

 では一体どこが残るのか?

 現状の乱立状態はそう長くは続かないと思われます。本題に入る前に、現状のシェアを見てみましょう。MM総研の記事です。

www.m2ri.jp

 このグラフによると、以下のような順位になっています。ただし、2017年3月時点のシェアですので御注意下さい。

  1. NTTコミュニケーションズ(OCN)
  2. IIJIIJmio
  3. 楽天モバイル
  4. ケイ・オプティコム(mineo)
  5. プラスワン・マーケティングFREETEL.)
  6. BIGLOBEKDDI系)
  7. UQコミュニケーションズ(KDDI系)

 今回の買収で楽天モバイルが2位のIIJmioに肉薄する形になると思われます。ただし、単純な足し算ですので、買収により離れて行くユーザが出るかもしれませんし、宣伝効果で逆に増えるかもしれません。

 席はいくつあるのか?

 さて、こうしてみると、買収後の楽天モバイル以外は通信系・ISP系事業者ですね。グループ会社が固定回線での電話・インターネット接続サービスを提供していますね。いずれの事業者も技術力はあるという評価を受けているかと思います。安定のNTTグループであるOCN、ISPの老舗でiPhoneiPad新機種やiOS新バージョンがリリースされると、速攻で検証してくれるIIJmio、独自のサービスやユーザコミュニティでしっかり固めるmineo、KDDIグループのBIGLOBEUQコミュニケーションズ(UQmobile)。

 個人的意見ですが、席は5つだろうと見ています。1位のOCN、2位のIIJmioが当確、4位のmineoと、6位のBIGLOBE・7位のUQコミュニケーションズが合併して2枠埋まるかなと見ています。残り1枠に新楽天モバイルが食い込めるのかどうか、あるいは他の事業者が座るのかが気になるところです。

 資本力も重要なファクターですが、技術力のあるところが最終的に残るのではないでしょうか。これから8位以下の事業者の買収が進むのではないかと推測します。

iOS11.0.1にアップデート後にバッテリーの持ちは改善されたのか?

 こんばんは。今回はiOS11.0.1に関する話題です。先日(9/20)、iOS11がリリースされました。しかし、「バッテリーの消耗が激しくなった」というような記事がありました。gigazineの記事からです。

gigazine.net

 確かに「そうかな?」という印象はあります。特にバッテリーがかなりへたってきたiPhone6にはかなりつらいものがあります。

 今までもiOSメジャーアップデート時には、常にバッテリーの消耗が早くなったと言われているような印象があります。(ここ最近はそんな印象が強いです)

 今回はoutlook.com宛のメール受信に関するバグフィックス中心だという記事を見た記憶があるのですが、失念してしまいました。<(_ _)>

 そして、セキュリティフィックスも含まれているようではあります。「iOS11にしてからもっさりしている」という意見も散見されますが、アップデートしてしまったら戻せませんので、早急に11.0.1にアップデートされることをお勧めします。

 さて、現在手元のiPhone6をアップデートしてみているのですが、劇的改善ということはないようです。もう少し様子を見つつ、やはり早々に買い替えということになるんだろうな…。

iOS11に関して気づいたことあれこれ(2)

 こんばんは。昨日予告しましたように、「iOS11に関して気づいたことあれこれ(2)」を書いてみることにします。

 前回書けなかったネタのうちの一つがAirDropです。自分のiPadで撮影した画像を嫁さんのiPadに転送しようとしてAirDropを使おうとしました。

 iOS10の頃とは勝手が変わっていた…

「使えない!!!」

画面下部をスワイプして、AirDropが表示されるものだと思っていました。iPad mini 4の場合ですが、まずはホームボタンを2回クリックしてコントロールセンターを表示させます。右上の「機内モード」「モバイルデータ通信」「Wi-Fi」「Bluetooth」が表示されている枠があります。ここを長押しすることでAirDropの設定アイコンが表示されます。

 なお、3D Touchが有効な機器ですと、押し込んでやる形でOKだそうです。(私は有効な機器を持ってませんので、自分自身で確認したわけではありません。<(_ _)>)

 これでどうにか画像を送ることが出来、事なきを得ました。

コントロールセンターからWi-FiBluetoothをOFFにしても完全にはOFFにならない

 これは少々意外でした。普段は設定アイコンから「Wi-Fi」や「Bluetooth」をON/OFFしていますので、あまり使わないのですが試してみました。単に「未接続」になるだけのようですね。完全にOFFにする場合は、「設定」からOFFにする必要がありそうです。位置情報を利用する場合に限ってWi-Fiを使うようにするとか、そんな感じなのでしょうか。もう少し調べてみます。<(_ _)>

 個人的にはカメラのQRコード読み取り機能対応が◎でした

 今までものすごく不便を感じていました。カメラでそのまま読めないので、やむなくQRコード読み取りアプリをインストールしていました。それが今回のiOS11ではカメラでQRコードを撮影しようとすると、ちゃんと認識してくれて関連するアプリを開くようにしてくれるようになっていました。LINE@登録用のQRコードを早速試してみました。ちゃんとLINEアプリが立ち上がってくれました。いやぁ、本当に便利です。今までが一体何だったのかと思うような改善だなと感じました。(^^;

 他にもあるかと思いますが、もう少し試してみようかと思います。

【予告】 iOS11に関して気づいたことあれこれ(2)を明日書きます

 こんばんは。今回はショートバージョンになります。<(_ _)> 体調が思わしくないので、今日はお休みさせていただきます。明日にiOS11アップデート後のことについて、昨日の続きを書きます。少々お待ち下さい。

(他にもKSKロールオーバーや情報処理安全確保支援士に関することもボチボチ書いてみる予定です)