こんばんは。今回は京都大学がオンプレミスで構築していた基幹系をAWSに移行したという話題です。こちらはITmediaの記事からです。
少し前に各大学がメールサーバの自前運用から撤退して行く動きが顕著でした。自前でメールサーバを運用・維持するだけのメリットがなくなってきたということが大きいようです。そして、もう一つの理由として、運用・構築出来る人材がいなくなってきたということもあるようです。となると、人も育てることが出来ませんから、自ずとアウトソーシングという形になって行くのでしょうね。
で、今回の基幹系AWS化も延長線上にあるんだろうなと思っていたら、どうも違っていました。上記記事にありますように、BCPとDRが主目的なようですね。人的問題やコストダウンの要求や停電時対応等の問題もあるのだろうと思っていましたが、これはそこまで大きな目的ではなかったようです。
京大は本部が京都市内の百万遍にあります。断層があるとのことで、一箇所に集めておくのは危険だという判断に基づくようです。京大は北は北海道・中標津から、南は九州・屋久島まで全国各地に研究施設を持っています。基幹系がダウンしたら、全国の京大関連施設での業務に大きな支障が生じます。
ということを考えると、クラウド化は当然の帰結かもしれません。各種サーバ群をクラウド化して行くことで、部局管理の各種サーバも巻き取ることが出来るようになります。部局側の負担も本部側の負担も大幅に減らすことが出来そうです。
BCPとDRに関しては、本部側もそうですが、どちらかというと遠隔地施設のメリットが大きいのではないかと見ています。遠隔地施設だと、人員的には本部に比べると少ないですし、兼務でなんとか回しているケースも想定されます。災害時に自力でなんとかするにも限界があります。オンプレミスだと本部からの応援も期待出来ないでしょうが、比較的短期間で最低限の業務再開は可能になるのではないかと考えられます。
そういう意味では、「なるべくしてなった」というのが正解なのでしょうね。