無線LANタダ乗り事件に関する判決が出ましたね
こんばんは。無線LANタダ乗り事件に関する判決が出ましたね。読売新聞とNHKの記事からです。「電波法的には無罪・不正アクセス禁止法的には有罪」という判決内容でした。
事前共有鍵の解読では罪に問われず
前者に関して、読売新聞・NHKの記事両方共「事前共有鍵を解読することはセーフ」であると読めます。もう少し読み進めると、読売新聞の記事では「他人の暗号鍵を使っただけでは罪にならない」とありました。この文章から「解読した事前共有鍵を用いて自分が通信する分にはOK」と取れます。「事前共有鍵を解析して接続したけど、本来の契約者の通信を傍受して悪用したわけではないからセーフ!」ということなのでしょうか。電波法も現在のインターネット普及状況を想定して作られたものではないということもありそうです。「電波を受信して内容を漏らすのはアウト!」というのは分かりますが、電波法が作られた当時は「通信内容を傍受せず、その電波を利用して自分が通信する」ということは考えも及ばなかったのでしょうね。(当然でしょうが)
どうも腑に落ちないところがありますが、法律が社会状況に追従出来てない証拠ですね。こうしてみると、検察側の「事前共有鍵データはそれ自体が通信内容になる」との主張は無理筋だということになってしまいます。理屈としては分かります。
さすがにタダ乗りでネットバンキング用ID・パスワードの詐取やウイルスメール撒き散らしは有罪になりましたね。
情報セキュリティの専門家である大学教授のコメント
最後に識者のコメントが掲載されていますね。読売新聞は立命館大学の上原哲太郎教授、NHKは慶応大学の武田圭史教授ですね。上原先生の「暗号鍵自体は封筒の外側だけを見ているだけのようなもの」という表現は納得です。カッターナイフを持っているということと、カッターナイフを使って中身を開けて読むという行為は全く別物ですよね。なので、カッターナイフを持っているだけであれば罪に問われないのは当然ですね。
武田先生の「自分のものでない無線LAN利用を全て取り締まるのは無理がある」という意見は分かりますが、公衆無線LANを出してくるのはここでは違うんじゃないかと思います。公衆無線LANは不特定多数のユーザに利用してもらうことを目的としていますが、家庭内無線LANはあくまで家族が使うことが前提です。他人に使わせることを想定してませんしね。(^^;
「無線LAN設置者が適切に管理するしかない」という点ですが、適切に管理出来ない人が使っているケースも少なくないわけですが、この問題をどうするかは読み取れませんでした。「適切に管理出来ないなら、無線LANを使わずに大人しく有線LANを使え」ということなんでしょうかねぇ。(^^;
無線LANに関しては、もう少し考察してみたいと思います。<(_ _)>