こんばんは。ここしばらく佐賀県教育委員会関連とポケモンGO関連に言及することが多かったので、今日は少々趣を変えてみようかと思います。
先週土曜日に三宮でTwitter上の医療クラスタの方々と呑んでたのですが、その際、上記の表題に関する少々突っ込んだ話が出ました。この話自体は以前からありまして、「医療機関に勤務する者は概してITに疎い」といった複数意見が出たことに端を発します。
「中の人」はさほどITに詳しいわけではないという事実
医療機関ではここ数年電子カルテの導入でIT化が進んでいます。しかし、中の人的には詳しい人の割合が極端に少ないという印象があります。裏を返せば、紙カルテを使っていた電子カルテ導入前まではIT化が遅れていたということになります。事務方にはほとんどいないのが実情でしょうし、医師で「詳しい」とされる方でも、あくまで「ユーザーとして詳しい」のであって、システム構築側として詳しいわけではないというケースが大半です。(例外的に本当に詳しい方もおられますが、工学部上がりでSEをされていて、医学部再入学されて医師になっているという特殊なケースもあります。)
医療業界への入口のポインタが見つからない場合が多いのです…
その上、医療業界というのは特殊な世界で、他業界からの入口が見えないために、なかなか他所から入って来にくい世界でもあります。医学部のある大学がそう多いわけではなく、医学部があっても別キャンパスになっていて、医学部生との接点がなかった方々も多いかと思います。と、医学部卒の学生が医療機関以外の企業や官公庁に就職する事例は稀ですので、伝手で転職という風になりにくい現状があります。
このような状況がある意味参入障壁になってしまっている側面があります。ここでは事務方に限定しますが、医療業界関係者は転職経験者が多いという傾向があります。まぁ、医師・看護師・コメディカルな方々は転職当たり前な世界におられるので、ここでは省略させていただきました。(あの〜、逆に新卒後ずっと同じ職場で定年を迎えるケースってのはあるんでしょうか???)
ましてや、新卒の職員をITのスペシャリストにするための教育を自前で出来るだけのリソースを持ち合わせていません。となれば、中途採用するしかないのですが、「自院にとって役に立つ有能な人材かどうか」を判断する術を持たないという悲しい現実があります。そこでいろいろとミスマッチやミスリードが起きてきます。
(余談になりますが、IT系の能力評価基準が医療情報技師持ちの方が情報処理技術者試験高度区分合格者よりも評価されるという現実があります。NWやSCを持っていても、「何それ?」扱いなんですよね…。orz)
往々にしてインターネット接続系ネットワークの管理が杜撰だったりします
これは他のサイトで書いた話ですが、「電子カルテネットワークはインターネットへの接点を持たずに閉じていれば安全」と考えている人が少なくないという現実があります。安全なはずなのに、なぜか電子カルテネットワーク内でウイルス感染は発生するという事実。電子カルテネットワークとインターネット接続系ネットワーク間でのファイルのやり取りにUSBメモリを用いるがために、ウイルス感染を引き起こしてしまっていたりします。USBメモリが感染している→ウイルス感染したPCがそのままになっている→ウイルス対策がなされずルーズな状態で使われているPCがごろごろしているという問題があります。
「どうすればウイルス感染やマルウェアに感染せずに安心してファイルの受け渡しが出来るか?」ということを俯瞰的に考えられる人材が決定的に不足しています。
現状に危機感を持ってITと真剣に向き合おうとする方々が増え始めてきました
そこで、こういう方々に向けて何か出来ないか?と考えた結果が「医療関係者向けのIT講座」に結びついてきます。
長くなりましたので、続きは明日に。<(_ _)>