NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

POP3とIMAPの違いをユーザにどうしたら理解してもらえるか

 こんばんは。2回ほど「パスワードの定期変更よりも複雑なパスワードを作ることの重要性をどう伝えて行くか」といった内容の記事を書きました。本来ならもう少し掘り下げて行きたいところですし、ユーザ側だけでなく、管理者サイドも中には定期変更原理主義者が一定数存在するようです。推測ですが、昔のサーバ管理の感覚が残っていて、「とにかく頻繁にパスワードを変更することがセキュリティ対策につながる」と信じたままで、最新の動向や知識のアップデートを行っていないということが見て取れます。これらの点につきましては、もう少し考察を進めますので、少々お待ち下さい。

  今回はパスワードつながりというわけでもないのですが、メールサーバから一般ユーザがメールを読み出す際について少し考えてみようと思います。

  タイトルにもありますように、メールサーバに届いたメールを読み出すには一般的にPOP3IMAPのいずれかのプロトコルを使うことになります。昔はメール受信となると、POP3一択だった時代があります。と言いますのも、MTAがsendmail中心でPOPサーバがQpopper中心だった頃は、メールスプールがMbox形式で/var/spool/mail/ ディレクトリ以下にユーザ毎に存在したという形でした。なので、「あまり溜め込むと遅くなりますから、ローカル(PC)にダウンロードしてスプールは削除して下さい。」とお願いしまくった記憶があります。まぁ、昔はストレージのリソースが貧弱でしたしね。(^^;;

  なので、「受信したらメールを『サーバに残さない』設定にしておくものだ」という風に教わりましたし、そのようにユーザにも伝えるようにしました。

  しかし、現在はどうでしょう。SNSに取って代わられてメール受信自体の使用頻度は低下していますが、スマホタブレットや自宅PC等、様々な環境で受信するものだという感覚になっています。ですので、下手するとユーザ自身はPOP3とかIMAPとかいうようなプロトコルの違いを意識することなく利用しています。

 こうなってくると、「え?なんでわざわざサーバから削除しないといけないの?」「職場でのPCだけで読み書きするとは限らないし。webメールで見たりする場合には置いといた方が便利でしょ?」だとか、いろんなことを言われそうではあります。

  あくまで「メールを読み書き出来さえすればいい」わけであって、サーバに保存して読み出すIMAPと、基本的にはクライアントにダウンロードして読むPOP3との違いなんて気にしてくれるはずもなく…。スプールに余裕を持たせておきたい&何らかの理由でスプールがクラッシュした場合、どやされる確率が上がるIMAPは極力提供したくないという気持ちが働くのでありました。(^^;;

 説得するとしたら、「十分余裕を持って使えるだけのスプールを人数分確保するコストがどれだけかかると思ってる?」しかないんだろうか…。どうも説得力に欠ける気がする…。あとはセキュリティ面での話?

 メール受信を POP3に限定するなんていうことになると、結構クレームが来そうなんじゃないかとふと思ったりもしました。(^^;;