「斜め上な発想」と「斬新な発想」の違いを考えてみる
こんばんは。一昨日のネタの続きっぽくなりますが、その線で進めてみたいと思います。
その昔、SEIKOからテレビウォッチなるものが発売されました。多分30年以上前の話だと思います。腕時計風のディスプレイにテレビの映像を映すという代物です。現在ならワンセグ携帯があるので、「まぁありそうな話かな」とも思えるのですが、当時の視点では「何これwwwwwww」扱いだったんだろうなということは容易に想像出来ます。
あ、決してSEIKOさんのチェレンジ精神を否定しているわけではありませんので、その点は誤解のないようお願いいたします。
当時の商品ですが、腕時計風ディスプレイで完結していたわけではなく、大きなチューナー部が存在していました。これをジャケットの内ポケットに入れて、袖にケーブルを通して腕時計風ディスプレイに接続するという代物です。
こうなると、発想としては面白いものの、斜め上扱いされてしまうんですよね。
そこから10年ぐらいしてからでしょうか。CASIOがデジタルカメラを開発して発売しました。確かQV-10という名称だったかと思います。「フィルムが要らない」「テレビに映して撮影画像を見られる」という点が画期的でした。と、レンズ部分が回転するという点も消費者にウケていたことも記憶に残っています。
こうしてみると、世間の半歩先ぐらいを行くのが「斬新な発想」で、世間よりも大幅に前に行き過ぎると「斜め上な発想」になってしまうんだろうと思います。たとえ、発表当時が斜め上であっても、遅れて時代の方が追いついてきて、しばらくしてから受け入れられることがあります。その場合は形を変えて、または技術革新があるということになるケースが多いですね。
この事例に該当するのが、J-PHONE(だったかと思います)がテレビチューナー付携帯電話をリリースしたケースでしょうか。確か最初に手がけたのだと思います。当時はまだ地上波デジタル放送が開始されてなくて(確か)、当然ワンセグもなかった頃でした。
ですので、電力消費も大きく、すぐにバッテリー残量が厳しくなってしまう代物でした。なので、テレビを見ると待ち受けが満足に出来ないという問題がありました。
しかし、現在ではワンセグ開始により、小型省電力で受信可能になりました。そして、ごく普通に多くの機種に搭載されるようになりました。
そう考えてみると、最初の機種発表は時期尚早だったんだろうなということになります。
他の事例を考えてみると、iPhone発表時は「斜め上な発想」という感じはありませんでした。たぶん、iPodの延長線上にあって、電話機能を盛り込んだということで、どちらかというと「斬新な発想」側に見られていたのかなという気がします。
人間というのは基本的に保守的な生き物ですから、自分の理解を大幅に超えるものは受け入れない傾向にあります。なので、周囲の反応がアレで、一歩以上前に行き過ぎてるなと思ったら、少しだけアイデアを寝かせてみる方がいい場合がありそうです。
(「斜め上やないかっ!」と言われるのもそれはそれでアリだと個人的には思ってます。(^^;))