gTLD増加と勝手ドメイン衝突の不安(2)
こんばんは。昨日の続きになります。たとえば、ないとは思いますが、うっかりexample.shimaneなどというドメインを作ってしまったとします。「地域型ドメインで.shimaneが出て来る可能性はゼロではないな。衝突する前になんとかしないと。」と考えると思います。社内メールサーバ(スプール用)も社内Webサーバも社内DNSサーバもグループウェアサーバも example.shimaneで設定してしまったとします。
これを自社ドメインexample.co.jpを既に取得しているとします。社内LAN用にintra.example.co.jpドメインを設定するという前提でお話を進めます。で、これを従来ドメインexample.shimaneから置き換えるとします。こんな感じを想定しています。
【旧】mail.example.shimane
【新】mail.intra.example.co.jp
【旧】www.example.shimane
【新】www.intra.example.co.jp
【旧】ns[1,2].example.shimane
【新】ns[1,2].intra.example.co.jp
旧ドメインは廃止して新ドメインに移行したいわけですから、必要最小限にしておきたいところですよね。この場合、「社内DNSサーバのIPアドレスは変更しない」という前提にしておいた方が楽ですよね。ユーザのPCのネットワーク設定変更を1台1台行うのはたいへんですよね。(DHCPだと関係ないですけどね。(^^;;)
なので、同じDNSサーバに新たにintra.example.co.jpゾーンを追加することになりますね。仮にns1.example.shimaneと、ns1.intra.example.co.jpのIPアドレスが10.0.0.1で、ns2.example.shimaneと、ns2.intra.example.co.jpのIPアドレスが10.0.0.2だとすると、以下のような書き方にしておけば、旧ドメインゾーンの記述を必要最小限に押さえられそうです。
(example.shimaneゾーン)
IN NS ns1.intra.example.co.jp.
IN NS ns2.intra.example.co.jp.
ns1 IN CNAME ns1.intra.example.co.jp.
ns2 IN CNAME ns2.intra.example.co.jp
mail IN CNAME mail.intra.example.co.jp.
www IN CNAME www.intra.exmple.co.jp.
MXレコードに関しては、親ドメインのmail.example.co.jp.に関連づけられている前提で、ここでは記述しません。(^^;;
NSレコードもCNAMEレコードも新ドメイン側に結びつけてしまえば、旧ドメイン側のメンテナンスは不要ですので、移行が楽かと思われます。
「旧ドメイン側にはAレコードを書かない」
そして、新ドメイン側は以下のような感じでいいのではないでしょうか。ただし、mail.intra.example.co.jp.を10.0.0.3、www.intra.example.co.jp.を10.0.0.4であるとします。
(intra.example.co.jp.ゾーン)
IN NS ns1.intra.example.co.jp.
IN NS ns2.intra.example.co.jp.
ns1 IN A 10.0.0.1
ns2 IN A 10.0.0.2
mail IN A 10.0.0.3
www IN A 10.0.0.4
そして、逆引きゾーンも修正が必要になってきます。仮に10.0.0.0/24で定義されているとして、0.0.10.in-addr.arpa.だとします。
(0.0.10.in-addr.arpa.ゾーン)
IN NS ns1.intra.example.co.jp.
IN NS ns2.intra.example.co.jp.
1 IN PTR ns1.intra.example.co.jp.
2 IN PTR ns2.intra.example.co.jp.
3 IN PTR mail.intra.example.co.jp.
4 IN PTR www.intra.example.co.jp.
社外サーバのDNS問い合わせに関しては、ns3.example.co.jp.とns4.example.co.jp.という社外用DNSキャッシュサーバに問い合わせるものとします。
そして、社外からの問い合わせを受けるDNSコンテンツサーバがns1.example.co.jp.とns2.example.co.jp.だとします。
そして、社外からのメールを受ける/社外へメールを送信するメールサーバがmail.example.co.jp.だとして、example.co.jp.ドメインへのMXレコードが向いているものとします。で、このメールサーバがpostfixのtransportにmail.intra.example.co.jp.が記述されているものとします。
こうして書いてみると、お引っ越しも案外なんとかなりそうな気がして来るのが不思議です。(^^;;