NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「小中学生に配布されるノートPCが27万円」は是か非か?

 こんにちは。今回は「小中学生向けに配布を予定されているノートPCが27万円だということが高いのか安いのか?」というお話です。痛いニュースからです。

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 「1台27万円」はノートPCとして高いという意見もあるのですが、総費用に対して人数割りした結果が27万円だということらしいです。確かにこの数字だけみたら高いですよね。世間一般の相場からしたら明らかに高いです。

 これに対して、「この予算にはPCの保守費や、サポート費用や、4G回線を使うための通信費用や、校内インフラ整備費なども含まれているから、単純に人数で割って『27万円は高い!』というのは無理があるのではないか?」という意見がありました。

 これは私も同意します。学校内のインフラ事情はなかなか厳しいものがあります。クラス30~40人が一斉に無線LANに接続しようとしたら、満足につながらなかったとか、その理由が家庭用無線APを使っていたり、業務用APを使っていても、きちんとした設計が出来てないために、通信が不安定だということもあります。

 加えて、校内に情報の専門職員がいないという問題もあります。何かトラブルがあっても、専任の対応を行うスタッフがいないため、ちょっと詳しい教員が片手間で対応したりというようなことが見られます。

 このような背景がありますので、仕様書には無茶な条件をてんこ盛りにしてしまった結果が費用高騰につながっています。前述のように校内のWi-Fi環境が貧弱であったり、トラブルが発生しても内部で対応出来ないことが想定されます。そのような事情を踏まえて、4G回線対応(セルラータイプ)を仕様に盛り込んだということでしょう。

 これらの背景を鑑みて、「ノートPCが高いか安いか?」ではなく、「学校を取り巻くインフラ環境があまりにも貧弱で、現場教員の自助努力におんぶにだっこな教育委員会文部科学省と政府に対して、人員確保を含めて改善を求めるべきだ」という話になろうかと思います。