NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「転居を伴う転勤は必要なのか?」という疑問

 こんばんは。今回は広い意味でのITに関するお話になります。先日、沢渡あまねさんの記事を読みました。こちらです。5ヶ月ほど前の記事ですが、いろいろ気になることがありましたので取り上げました。

gendai.ismedia.jp

 サラリーマンにつきものとされていた「転勤」。「されていた」という表現にしたのは、最近は少しずつ変わってきているようです。エリア内での異動のみで、本人の希望以外ではエリアを跨ぐ異動はないとする地域限定社員制度を取り入れている組織があるようです。

 大規模組織では普通に広域異動があります…

 現実には、大企業や官公庁などでは広域異動(場合によっては海外勤務も)が普通に行われています。ジョブローテーションの一環で、広い視野を身につけるためだと言われていました。理不尽な転勤も終身雇用の上では受け入れざるを得ませんでした。昨今では共稼ぎが主流になってきましたので、単身赴任の弊害や、残された家族の負担も大きくなります。年功序列・終身雇用が事実上崩壊した昨今では、組織に対する忠誠心も薄れてきました。転勤を積極的に受け入れるメリットが見当たりません。

 スキルアップのためのオフライン環境を失うデメリットも

 あまり語られる機会がないのですが、スキルアップを図るためのオフラインコミュニティにコミットしていると、転居を伴う異動を強いられた場合、一旦コミュニティから離れざるを得ません。スキルアップの機会損失につながります。東京や大阪からそれ以外の地域に異動した場合、そのようなことが不通に起き得ます。地域によっては、オフラインコミュニティが存在しないというケースもあるようです。オンラインコミュニティもありますが、置き換えればいいのかという話でもないです。特に不動産を購入してその地に根を下ろしている場合はなおさらです。となってくると、「自己成長の阻害要因になるから転職しよう」というトリガにもつながり得ます。

 自宅と職場をオンライン接続するという発想の転換

 ならば、リモートワークで対応出来るような方向で提案すべきではないでしょうか。人が物理的に移動する(引っ越す)コストも馬鹿になりません。このコストがペイするのかどうかということも考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

 ゼネラリスト至上主義を止めよう

 他の観点からも考えられます。ジョブローテーションという考え方も平成の遺物なのではないでしょうか。これも新卒一括採用・年功序列・終身雇用前提の仕組みなのでしょうね。昔はゼネラリスト育成前提で考えられていた側面があります。もちろん、ゼネラリストも大事です。同様にスペシャリストも大事です。現状では、スペシャリストも無理やりゼネラリストのレールに乗せようとしてしてしまうことがあります。スペシャリストも誰でも出来るものではないのと同様に、ゼネラリストも誰でも出来る代物ではないという風に認識を改めてほしいものです。

 引っ越しを回避するために、新幹線通勤を選択するケースもありますが、その点については改めて書いてみることにします。