NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

医学部卒≠医師でなくても良いのでは?〜旭川医大事件(!?)を受けて〜

 こんばんは。昨日の続きをもう少し書いてみようかと思います。昨日の記事はこちらです。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 「医療機関側にはITのプロが、ベンダ側には医療のプロがいないよね。お互いの専門分野のプロを雇えば見事解決なんじゃないの?より良い電子カルテシステムが出来るんじゃない?」というような趣旨で書きました。

 しかし、こういうことを言うと、「医学部学生1人当たりかなりの税金を注ぎ込んでいるんだぞ。医学部卒業生は医師にならないのは税金の無駄だ!」というような意見が出て来るかと思われます。いや、実際出てきましたね。昨春、医学部卒の学生がTBSに入社したことが話題になりました。以下はYahoo!ニュースからです。

news.yahoo.co.jp

 「医学部を出たんだし、医師にならなければいけない」というのもあまりに短絡的なんじゃないかと思います。医学部で得た専門知識を直接活かす医師になるという選択意外に、間接的に医学・医療を支えるという考え方はあるはずです。野球で言えば、みんながみんな選手にならなくてはいけないわけではないと思います。コーチでもいいでしょうし、監督もありでしょうし、球団運営側でもいいのかもしれません。

 そういう意味では、電子カルテベンダに医師免許を持った医学部出身者がSEやコンサルとして働くことは決して無駄なことではないと思います。むしろ、医療従事者にとってより使いやすい「医療従事者にやさしい電子カルテ」が世に出る可能性が高くなります。昨日も書きましたように、開発側と利用側に立ちはだかる大きな壁があります。この壁を壊すためには、開発側から風穴を開けるには医師の力が必要だと思います。(利用側からは医療情報系の学位持ちの力で風穴を開ける必要があると思います)

 医療従事者にとって使いやすい理想的な電子カルテが出来れば、医療の質向上にも寄与するでしょうし、地域医療連携もスムーズに行くかもしれません。医療機関の労働環境改善に寄与することも考えられます。現状では、「システムに詳しい」とされる医師の方々の涙ぐましい努力によって支えられています。こういう方々が開発サイドに行っていただければ、きっと今までとは違った電子カルテが出来るような気がします。

 そのためには、ベンダサイドが高給でのヘッドハントだけではなく、「医学部卒業生が必ずしも医師になる必要はない」「周辺部分から間接的に医学・医療を支えることも十分な価値がある」という認識がもっと広まることを期待します。

 現状ではIT系職場の待遇が低すぎるという問題がありますから、改善に向けた一歩につながってほしいものです。