NW屋的新幹線通勤日記(3ヶ月限定名称)

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

2020年までに電子カルテ一元管理をという政府の無謀な挑戦(1)

 こんばんは。10日の日経朝刊記事で電子カルテ一元化の記事が載ってました。記事の内容はこちらです。

www.nikkei.com

 詳細は電子版読者でないと読めないようです。10日の記事(紙媒体)を読んだのですが、多くのハードルが存在します。

 果たして本当に3年で実現するのか???

 個人的には「現場を知らないから、こんなことが言えるんじゃないか?」というのが初見の率直な感想です。1つの病院の電子カルテ導入or更新でも2~3年はかかってしまうというのが相場ですしね。「ではA社の電子カルテにしましょう」という風に簡単には行きません。文房具を購入するようには行きません。何と言っても、数億~数十億オーダーの買い物になります。導入後、しばらくは借金としてのしかかってきますので、おいそれと判断出来ません。

 となると、現時点で電子カルテ更新or導入予定のない医療機関は様子見になってしまうでしょう。

 やっかいなことにベンダごとの電子カルテの互換性が低いという点

 大病院でそれなりのシェアを押さえているベンダというと、富士通NECIBMの3社が浮かびます。「電子カルテを乗り換える」と言っても、各社間での互換性はあまり期待出来ません。その上、業務にシステムを合わせるために、多くのカスタマイズを施してしまうことがあります。ただでさえ、乗り換えが簡単ではないという現状で、カスタマイズしてしまうと身動きが取れなくなってしまいます。

 医療情報交換・共有のための規約としてSS-MIX2が策定されたわけですが、これが必ずしも万能というわけでもないために、そう単純には事が進まないのではないかと個人的には思っています。

 昔の話で恐縮ですが、大手パソコン通信事業者のことを思い出しました。ここで言う大手とは、NIFTY-Serve(当時)とPC-VAN(当時)を指します。電子メール機能は提供されていたのですが、事業者を跨ってのメール送受信は出来ませんでした。不便さを解消すべく、両者間のメール送受信に対応するようになりました。

 しかし、Windows95発売によるインターネット利用が普及したことにより、SMTPによるメール送受信が一般化して、パソコン通信そのものが廃れて行きました。

 同様に電子カルテの一元管理が実現するにもかなりの時間を要するのではないかという風に考えられそうです。

 SS-MIX2ベースで一元管理を実現しようという試みがありました 

「正直厳しいんじゃないか?」と思っていて、念のため調べてみましたら、1年ほど前の@ITの記事がヒットしました。

www.atmarkit.co.jp

 これを読むと、SS-MIX2を用いて最大公約数のデータ交換・共有を行おうとしているように思えます。さすがに一足飛びに電子カルテ一元管理までは無理だろうなという印象です。それでも、これをきっかけに少しでも前進するのであればいいのかなとは思います。

 ただ、「何が何でもマイナンバー(とマイナンバーカード)の利用普及をさせたい」と考える総務省の方針には諸手を挙げて賛成とは行きませんが。