こんばんは。昨日に引き続き、電子カルテについてもう少し書いてみます。昨日は名大病院の電子カルテ統一化への背景についてでした。
電子カルテベンダの中の人に関するツイートがありました。
東芝の電子カルテの納品のお話を聞いてたけど、病院ごとに科目を作るため技術者数人を年単位で張り付かせる。共通基盤ならそんなことはしない最悪の中の最悪の話が、最初からそこにあるんだなと、電子化の意味は社会ではそうなるのかと思いました。 https://t.co/zZDgUwZw2i
— >ω< (@u_akihiro) 2017年3月12日
こちらは東芝の話ですが、他の主要電子カルテベンダというと、富士通・NEC・IBMの3社が挙げられます。このツイートのように、各病院個別の事情を反映させるために、本来の電子カルテパッケージに対して、多かれ少なかれカスタマイズを行うのが一般的です。
しかし、このカスタマイズというのが曲者で、電子カルテ導入時はいいのですが、5〜7年ぐらいで更新を迎えます。その頃、電子カルテ側もバージョンアップしていますので、カスタマイズしたプログラムを新しい電子カルテに反映させようとすると、どうしてもコスト増になります。同じベンダならまだマシなのですが、異なるベンダに乗り換えようとすると、足下を見られてします場合があります。
そもそも、カスタマイズしたプログラムが新バージョンで100%継承される保証はありません。もちろん、同じベンダでも完全に互換の取れたプログラムを提供される保証はありません。使っていた機能が新機能として提供されていて、カスタマイズせずに済むケースもあります。逆に「どうにもならないので、代替機能で勘弁して下さい」というようなことを言われる場合もあります。
ベンダが変わると、一般的にカスタマイズしたプログラムの継承に苦労することが多いのですが、新しいバージョンで対応している場合もありますので、一概には言えないようです。
本来ならば、業務をシステムに合わせる形で、各電子カルテベンダの標準パッケージをそのまま使うというのが導入コストを抑えることが出来るので望ましいです。
が、現実はなかなかそうは行かないようで、システムを業務に合わせるということが多いです。そうして、「病院ごとの電子カルテシステム」が出来上がってしまう結果となります。上記のツイートにあるように、病院の事情を反映させるために、エンジニア数人を中長期的に常駐させることで、電子カルテの価格上昇につながります。
結果的にバラバラな電子カルテが地域医療連携のコストを押し上げている側面もあるのではないかと思います。確かに共通基盤になっていれば、連携も楽なんだろうなとは思います。(ベンダの違いもコスト増要因の1つではありますね。(^^;;)