さて、昨日に引き続き、MXレコードについてあれこれ(3)ということで書いて行きます。昨日は複数のメールサーバにMXレコードを向けることで冗長化するということと、スプールを持つメールサーバの前段にメールゲートウェイを設けて、これを複数台設置することにより、MXレコードを向けることで冗長化とスプールを持つメールサーバのメンテや停電時でもメールを受信することが出来るというメリットがあります。
今回はホスト名そのものをMXレコードの左辺に記述した場合どうなるかについて触れてみたいと思います。
極論ですが、MXレコードが記述されていなくてもメールの送信は可能です。Aレコードのことを「暗黙のMXレコード」と言われることがあります。例えば、mail.example.jpというメールサーバがあって、user@mail.example.jpというメールアドレスに送るとします。これが
mail IN A 192.168.1.1
としか書かれていなかったとします。この場合、192.168.1.1に対してメールを送ります。これが「暗黙のMXレコード」ということになりまする。しかし、挙動としてはMXレコードを書いておくのが望ましいです。上記の場合は以下のようになります。
mail IN MX mail.example.jp.
IN A 192.168.1.1
こうしてみると、「だからどうなんだ?」と言われそうですね。部署毎にサーバがある場合は少し事情が変わってきそうです。例えば、総務課のAさんのメールアドレスがasan@soumu.example.jpだとします。で、メールサーバはmail01.example.jpと、mail02.example.jpだとします。この場合のMXレコードは以下のようになります。
soumu IN MX 10 mail01.example.jp.
IN. MX. 20 mail02.example.jp.
こうしておくことで、mail01にsoumu宛てのが届き、mail01が応答しない場合にはmail02がバックアップで受信してくれることになります。
長くなりましたので、続きは明日以降に。m(_ _)m