NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

ahamoではデータ通信容量を複数機器でシェア出来ない

 こんにちは。乗換余地の有無を検討するために、ahamoについてもう少し調べてみました。発表直後のブログや動画による情報だけでは分からない面がありました。

 今回最も気になったのは「データ通信容量20GBを複数機器でシェア出来るか?」という点でした。「気を付けるべき点」ということで調べてみました。

 まずはITmediaの記事です。

www.itmedia.co.jp

 こちらにはデータシェアについての記述はなかったです。

 さらに調べてみました。こちらはimpressのケータイwatchの記事です。

k-tai.watch.impress.co.jp

 ありました。複数機器でのデータ通信容量シェアはNGだそうです。1枚の物理SIMのみ提供されて、ahamoで契約した物理SIMを挿した機器でしか使えないということになります。

個人的にはここで断念しました

  そうなんですよね。現状ではIIJmioのファミリーシェアプランを契約しています。これでiPhone SE 2とiPad mini 5とLTE対応のノートPCを使っています。12GBをこの3台でシェア出来るというのはたいへん都合がいいです。各機器で毎月通信量が常に一定ということであれば、個別に契約するという選択肢もあります。ただ、月によってどうしても各機器間のバラつきが発生します。それを上手く吸収出来るのがシェアプランのありがたい点です。

 ahamoの場合は家族契約を想定せず、個人ユースを想定している側面が強いです。そのため、家族割がないのは理解出来ます。それはいいとして、個人で使う端末が1台限りとなるのは使い勝手が悪いです。スマホ1台で20GB使うユーザーがどれぐらいいるのか?という点も気になります。1個人で使う場合、複数機器を所持しているケースも少なくないのではないかと推察します。そうなると、機器毎にahamoで契約しないといけないことになります。そう考えると、スマホタブレット・PCの3台で8940円。決して安いとは言えない金額になります。それに、契約データ通信容量を確実に余らせそうです。

 そのあたりを考えると、個人的にはahamoは見送りかなと考えているところです。

 料金破壊のインパクトはあったのですが、使いづらいサービスかなと思いました。(いや、いいんですよ。オンラインのみで完結とか、思い切ってコストダウンしたというような姿勢は。ただ、シェア出来ないのが…。)

docomoが新プラン「ahamo」発表の影響

 こんばんは。パスワード付きzipファイル関連のお話を書こうと考えていたところに、docomoが新プラン「ahamo」を発表してきたというニュースがありましたので、そちらを取り上げることにします。<(_ _)>

 以下は日経xtechの記事からです。

xtech.nikkei.com

 20GB月額2980円という料金設定は、明らかに楽天モバイルを意識したものでしょう。この料金設定が「楽天モバイル潰し」「MVNO潰し」と言われているようです。

 auSoftBankが本体は値下げプランを出さずに、サブブランドであるUQmobile及びY!mobileで安めの20GBプランを出してきておしまいとしようとしてきたかのように受け取られています。武田総務大臣の会見からも「メインブランド本体で安いプランを出して来いよ。分かってるやろな!?」という空気を読んで忖度して出してきたのでは?と見ています。

 「本来、これはサブブランドとして出したかったんだが、そうも行かなくなり、慌てて出したんだろうな」という風に受け取れました。会見でも「サブブランド」という風には表現しないように細心の注意を払っているようにも映りました。

 20GB2980円だと、MVNO各社の大容量プランよりもコスパが良さそうに見えます。しかも、5分以内ならかけ放題というのも、MVNOにとってはなかなか厳しいものがあります。(これをやられると太刀打ち出来ない)

 同じ2980円(現在は1年間無料ユーザーのみの状況)でも、自社回線の電波状態がお世辞にもいいとは言えない楽天モバイルとしては、かなり厳しいものになるでしょう。

 ahamoのサービス開始が来年3月とのことですから、楽天モバイルの無料期間が終了したユーザーがahamoに雪崩を打って…という展開も十分考えられそうです。

 ahamoに関しては、長所ばかりではなく、落とし穴も存在するようですので、その点を見極めないといけません。

 このままだと、楽天モバイルMVNO各社にとっては、かなり厳しい戦いになりそうです。対抗策が出てくるのかどうかは気になるところです。

(注:日本通信が「MVNOを代表して、ahamo対抗プランを出す!」ということで、月1980円のプランを発表しました。)

パスワード付きzipファイルの問題点(1)

 こんばんは。昨日の記事でパスワード付きzipファイル廃止を中央官庁で禁止になったことについて書きました。今日は関連して、パスワード付きzipファイルの一体何が問題なのか?という点について少し書いてみる予定です。少々長くなりそうなので、何回かに分割して書く予定です。お付き合いのほど宜しくお願いします。<(_ _)>

 今回は日経xtechの記事からです。

xtech.nikkei.com

 メールで添付ファイルを送る際に、添付ファイルをzip圧縮してパスワードを付与して送り、その後でパスワードをメールで別送するというやつです。

 これ、「意味ないよなぁ」と思いながらも、職場の方針だったり、取引先が要求してくるから渋々やってるというケースが多いようです。以前、アンケートツイートをしたことがあって、このとき70%ぐらいの方が「理不尽だとは思いながら、渋々やってる」とのことでした。なので、今回の平井デジタル担当相の発表はたいへん嬉しく思いました。

 さて、話を戻します。この記事にもありますように、マルウェア対策の足を引っ張っているという問題があります。パスワード付きzipファイルだと、受信したメールサーバでマルウェアに対するスキャンが出来ません。マルウェアチェックを素通りしてユーザの手元に届くというのはいかがなものかと。

 最近では、Emotetがこの問題を利用して、パスワード付きzipファイルを添付して送りつけてきます。この場合、メール本文にパスワードを記述してきています。それでもうっかり開いてしまう人はいるようです。

 そういう意味でもパスワード付きzipファイルは実害が大きいですね。

 もう一つ、受信者の作業負荷を高めているという点に関しても指摘されています。添付ファイルを受信して、パスワード記載メールを探して、コピペして展開するという…。送信側も手動で行う場合は手間がかかります。(問題なのは、パスワード付きzipファイルメールとパスワード記載メールをシステム側で生成して自動送信するケースがあるようです。これはこれで大きな問題があります。この点も改めて述べます。)

 この記事の中に「メリットはあるのか?」という点に触れています。記事中にはメリットとして考えられそうなことを一応挙げてはいますが、いずれも見事に否定されています。誤送信対策に関しては、特に自動生成・送信システムを使っているケースだと無意味です。盗聴対策にしても、全区間TLSで暗号化されていればいいわけですし、同一経路でパスワードを送信するということは、盗聴対策の体をなしてないことになります。ましてや、パスワードを平文で送っている時点でお察しな次第ですね…。

 代替策としてこの記事でも挙げられているように、クラウドストレージなんではないかと私も考えます。通信経路をhttpsで保護し、期間やダウンロード回数の制限である程度は回避可能ではないでしょうか。S/MIMEPGPの普及もありそうですが、今まで普及して来なかったことや、鍵の信頼性担保の問題もありそうです。(そのあたりの手間をISPや企業・官公庁などが担ってくれるのかどうかという話も別にありますが…)

 他にも問題はありますが、この点については、次回以降に書いてみることにします。

 

ついに中央官庁でパスワード付きzipファイル廃止に!

 こんばんは。余力がなくてしばらくお休みしてました。<(_ _)>

 少し時間が経ってしまいましたが、このネタを投下します。続編を複数書く予定ですので、少々お待ち下さい。

 今回は前振りということになります。こちらはITmediaの記事からです。

www.itmedia.co.jp

 平井デジタル改革担当大臣が言及されたようです。あちこちで無意味だと言われていたパスワード付きzipファイルのメール添付にを中央官庁で廃止という話です。

 既に27日あたりから廃止されたようです。これにも続きがありますので、この点は次回以降に言及します。

 それにしても、パスワード付きzipファイルの弊害については、以前からいろいろと指摘されていました。それでもなかなか止める方向には進みませんでした。政府がこういう形で言及されたことで流れが変わることを期待しています。

 続きは次回に。<(_ _)>

私物USBメモリを使わないと業務が回らない環境?

 こんにちは。今回取り上げるネタはこちらです。security-next.comの記事からです。

www.security-next.com

 「私物USBメモリ」という単語に目が釘付けになりました。私物ですか…。公立小学校・中学校・高校のネットワーク環境を含めたIT環境全般というのがいろいろと目を覆いたくなる状況だというのをよく耳にします。PCが1人1台与えられないとかで、やむなく私物PCを持ち込んで使っているとかいったようなことをネット上で見聞きしたことがあります。USBメモリもその延長戦なのでしょう。

 そのような状況で管理が出来ているのか?というと、これまたお寒い状況らしいということのようです。BYODに対応した仕組みが導入されているのかとか、セキュリティポリシーがあっても、形骸化しているとかいったようなこともあるんじゃないだろうかとこの記事を読んで推察しました。

 本来、職場外で仕事を持ち帰らないといけない状況自体が問題なのであって、ここを改善しないといけないはずです。最近ではテレワークも普及していますから、百歩譲って、自宅でもセキュアに仕事が出来る環境が構築されていれば、私物USBメモリを使う必要はなさそうです。

 「可搬媒体は紛失リスクがある」ということに加えて、「業務に必要な物品は組織として用意する」という方針は遵守されるべきではないでしょうか。

 そして、テレワークが出来る環境を整えられるように、校内ネットワークの再設計が必要なのではないかと感じた記事でした。

iOS14.2/iPadOS14.2リリース

 こんばんは。先日、iOS14.2とiPadOS14.2がリリースされましたね。こちらはITmediaの記事からです。

www.itmedia.co.jp

 絵文字の追加が話題になって取り上げられましたが、バグフィックスやセキュリティフィックスもなされているようですので、現在iOS14.1/iPadOS14.1にされている方は急ぎ14.2にアップデートされることをオススメします。

 現在、iPhone SE 2ではIIJmiodocomo回線)とeSIMで楽天モバイルを使っています。iPad mini 5では、IIJmioau回線)とeSIMではIIJmioデータプランZEROを使っています。その関係で、IIJmioのiOS14.2/iPadOS14.2の動作検証を待たずにアップデートしてしまいました。(^^;

 今のところ、両者共に問題なく使えています。<(_ _)>

近畿経済産業局がセキュリティコミュニティ活動を支援

 こんばんは。今回は情報セキュリティ界隈で気になる記事がありましたので、取り上げてみることにしました。ScanNetSecurityの記事からです。

scan.netsecurity.ne.jp

 今年度中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業の一環とのことです。昨年も中小企業に対する促進事業はありました。情報セキュリティマネジメント指導業務ということで、情報処理安全確保支援士が専門家として4回企業訪問して対策を行うといった事業でした。これは今年度も実施予定です。それに加えて、今回のニュース。

 コロナ禍でオフラインの勉強会やイベントは少なくなっている印象です。どちらかというとオンライン中心になっていますね。そういった状況ではあるのですが、積極的に情報セキュリティに関する地域コミュニティ活動を後押しして行こうとする経済産業省近畿経済通産局GJ!と言いたくなる記事でした。全国的にということではなく、近畿地区が先行して実施されるというのは、地元民としては嬉しい限りです。この取り組みが全国展開されることを願ってやみません。