NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

社会人大学院進学までの様々なハードル(1)

 こんばんは。先日、社会人大学・大学院入試合格までの話をする機会がありました。(インフラ勉強会でのセッションですが)

 私自身は社会人大学院入試の経験しかありませんので、大学(学部)の話の具体論は出来ませんでした。とりあえず社会人大学院入試を受けて合格するまでの話になりました。

 最初に書類を揃えるというのも結構たいへんなんですよね。卒業証明書を入手する場合、現住所と遠く離れた場所に大学がある場合は郵送で依頼することになります。そのため、〒配達にかかる往復の時間+事務室での処理時間を考慮する必要があります。下手すると10日ぐらいかかってしまいそうですね。

 ならばと、直接出向くとなると、これはこれでたいへんです。基本的に大学の事務室は平日9時5時と考えておいた方がいいです。

 となると、「仕事を休んで行かないといけない」ということになります。

 キャンパスが移転していると、ウロウロと慌てることになります。それ以外にも注意しておきたい点として、「在籍時の学部・学科が改組により名称変更になっている場青どうするか?」ですね。卒業証明書をもらいに行こうにも、貰いに行く先がない…ということにもなりかねません。郵送依頼するにせよ、直接足を運ぶにせよ、改組になっていた場合は事前確認が必要ですね。

 今回のセッションでは取り上げてませんが、大学の合併・廃校等で在籍していた学校が存在しないという場合は、合併先などに問い合わせることになります。廃校になった場合というのはよく分かりませんが、たとえば、大学受験時で公立高校の場合は、元々の設立母体(県立高校なら県庁の学校関係を掌握している部署、市立高校なら市役所の該当部署でしょうか)に問い合わせることになります。

 最近は即日発効してくれるケースもあるようなので、時間のかからない場合もあるようです。

 他には研究計画書を書いたり、職場の同意を得ておく(念書を書かされる場合も)などの対応が必要になります。このあたりは後日書いてみます。暫しお待ち下さい。

「フェイクニュース」を見て考えさせられたこと

 こんばんは。ここしばらく記事のネタに事欠かなかったものですから、旬を逃してしまいました。<(_ _)>

 NHK総合で10月20日と10月27日に放送された「フェイクニュース」について少し書いてみることにします。カップうどんに青虫が入っていたことをSNSに書いたことにより、事態はあらぬ方向に展開して行き、多くの人の人生を狂わせるといったような話でした。(かなり端折ってますが。(^^;)

 ストーリーの説明が本筋ではありませんので、ここではこれ以上書きません。<(_ _)>

(詳しい内容を参照していただけるように、「フェイクニュース」の公式サイトURLを貼っておきます。)

www.nhk.or.jp

 2回の放送で私なりに気づいたことを書き出してみることにします。

  1. 脊髄反射的にSNSに書き込むのは拙くないか?
  2. ユーザーも自分の言葉に対する影響力の大きさを過小評価してないか?
  3. 新聞社(既存マスコミ全般)が上で、ネットメディアが下という価値観は×
  4. 裏付けもなく発信するリスクの大きさ
  5. ユーザー側の情報判断・取捨選択能力が問われている
  6. 複数のソースを参照する必要性
  7. 自衛のための手段はきちんと考えておく
  8. 「危ないから使わない」ではなく、「危ないことを理解した上で使う」

 メールとSNSの性質を理解した上での使い分けは重要

 まず、1.です。製菓会社のベテラン社員が自宅で食べたカップうどんに青虫が入っていました。そのことに腹を立て、慌てて麺をこぼしてしまいました。「画像を撮影してSNSにアップしよう」と考え、こぼした麺を一旦カップに戻しました。見た目が良くないということで、醤油を加えて撮影しました。これが後で問題になってきます。

 この画像と共に「青虫が入っている!」というつぶやきを投稿しました。これが拡散されて、大きな騒ぎへと発展しました。

 この場合、食品会社に電話なりメールなりで直接クレームを入れるべきで、SNSに投稿したのは拙かったです。1対1でやり取りする類の案件ですし、不特定多数に知らせることは二次的影響を考慮して、回避すべきだったのでしょうね。

 都合よく「誰も見てないだろう」と思うのは危険

 続いて2.ですが、「フォロワー数も少ないし、影響力も小さいから大丈夫だろう」とか、「鍵垢だから心配ない」とかいうような考えで安直に投稿してないでしょうか?

 火種になりそうなものがあったら、誰が投稿したかということは関係なく拡散され炎上します。以前、コンビニのアイスケースに入った様子を撮影して投稿後、炎上したり、バイト先の食洗器で身体を洗ってる様子を投稿して炎上したり…等々ありました。

 このドラマの例でも「カップ麺に青虫が入ってる!」という事象がセンセーショナルだったので、リツイートされまくりという事態に陥りました。こうなると、自分自身ではコントロール出来なくなります。投稿した時点で自分の手から離れてしまう「怪物」になってしまう怖さがあります。「影響力というのは、フォロワー数ではない」ということを認識しておかなかった事例とも言えますね。

 別にどちらが上とか下とかいうようなことはないです…

 3.ですが、新聞社が上でネットメディアが下というようなことを直接的にも間接的にも匂わす台詞が散見されました。前者は今までの積み上げがあるから、後者のような新興メディアを馬鹿にする面があるのでしょう。たぶん。

 これは歴史に関係なく、「ちゃんと正しいことを伝えているかどうか」に尽きるのではないでしょうか。

 裏付けは大事

 4.は取材をきちんと行っているかどうかという話になります。「ネットメディアだから、適当に記事をでっち上げてPV数を稼ぐことが大事」といったような台詞がありました。1.にも通じることですが、「こんなもんやろw」という思い込みで裏付けなく記事を書いてしまうと、これが間違っていた場合に大きな影響を与えてしまいます。

 「嘘を嘘と見抜く力」は大事

 5.と6.ですが、タイトル取り「フェイクニュース」が巷に溢れています。何が正しくて、何が間違っているかを自分の頭で判断しないといけません。テレビ・ラジオ・新聞だから正しいことを言っているとは限りません。逆にネットニュースだからガセだろうと決めてかかると本質を見失います。そのため、複数のソースから情報を得て、照らし合わせてみた上で判断する能力が必須になります。「○○が言ってるから正しい」というのは危険です。(いいように利用されかねませんし)

 自衛策大事!

 7.は自衛策ですね。「脊髄反射的にリツイートはしない」「投稿をアップロードする場合は勢いに任せず、一旦下書き保存しておいて、少し時間を空けた後に一度見直して問題がないかどうか確認の上で投稿する」「変に煽るような文章にしていないか?」「不用意に個人情報を晒すような書き込みや画像をアップロードしていないか」等を見直す必要がありそうです。

 思考停止しないこと

 8.は「危ないから禁止」では生活に支障を来します。包丁を使ったり、自動車に乗るのと同じように、安全に使うための術をきちんと身に着けておきましょう。正しくネットと付き合うことを心がければ大丈夫です。「適当に怖がりつつ付き合う」というスタンスが良さそうです。

医療関係者はもっと怒っていいんじゃないだろうか(「外注すればしまい」というわけではない話(3))

 こんばんは。先日、「トレンドマイクロ社の一連の騒動に関して」を書きました。トレンドマイクロの一連の「やらかし」についての弁解(!?)が含まれたコメントが発表されました。ユーザーに無断でセキュリティ目的とは無関係なアプリからブラウザ閲覧履歴を吸い上げていたり、その他諸々問題となる行為がなされていました。

 この騒動で、別の観点から外注に関して気になったことを書いてみることにします。関連する話題ですが、10月31日に書いた記事「「外注すればしまい」というわけではない話(1)」のリンクを貼っておきます。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 こちらは宇陀市立病院での電子カルテマルウェア感染に関する委託業者監督に関する話になります。プレスリリースで「システム会社の落ち度で…」というような文言が並んでいました。これは発注側が委託業者の監督を放棄していたという風にも取れます。「ITのことは詳しくなくてもいいから、最低限委託業者の監督はしようね。外注と言っても、全て丸投げが許されるわけではない」ということを言いたかったのです。

 この場合は、「家の鍵を委託業者に預けることはせず、勝手なことをしてないかを分かる範囲で監督する」ということをしなくてはなりません。

 が、今回の場合はソフトウェアの挙動の話になりますので、手出しが出来ません。天井裏の掃除みたいなものでしょうか。掃除中にへそくりが出てきて、どこにあったかや金額等を記録して持ち帰る…といった感じでしょうか。

 危険ですよね。客の目が届かない(届かせようのない)ところで勝手なことをされるのは不快ですよね。それでも、自分たちの正当性を主張する言い訳でしたから…。

 この言い訳に医学・医療の話を引き合いに出している点も問題視されるべきでしょう。本当に医療関係者はもっと怒っていいと思います。いや、怒らないといけないでしょう。トレンドマイクロ社のアプリも電子カルテシステムに使用されている場合も少なくないと推察します。今回の一件を踏まえて、既に導入している場合は決して電子カルテベンダ任せにせず、「自分たちはどうすべきか?」ということをきちんと考え、意思表示して行く必要があるはずです。

 「自分たちはITに関しては疎いから、全てベンダに委託してます」では拙いのではないでしょうか。自分たちの手の届かないところでベンダの思うがままにされている。現状でいいのかどうかは、業者任せにせずにきちんと考えるべきではないでしょうか。

 そういう意味では、(宇陀市立病院がどうかは知りませんが)情報システム部にはプロを採用しておくべきではないでしょうか。そして、ITに疎いという管理職もベンダ丸投げで思考停止せずに、自分たちの問題として考えるようにしないといけない時期に来ているのではないでしょうか。

 

世界盆栽大会ドメインを手放したらアダルトサイトに取得された話

 こんばんは。先日NHK関連の企業ドメイン廃止後に、無関係の組織に取得されるというニュースが記憶に新しいですが、今回も同様のニュースです。こちらは読売新聞の記事からです。

www.yomiuri.co.jp

 やってしまいましたね。日本盆栽協会日本盆栽協会のWebサイトは存在します。こちらですね。

www.bonsai-kyokai.or.jp

 日本盆栽協会としてのWebサイトではなく、「第8回世界盆栽大会 in さいたま」専用にドメインを取得して運用していたのだろうと推測しています。「大会も無事終了したので、サイトも閉じてしまえ」ということで、ドメイン管理継続せずにリリースしたのでしょう。で、その後、アダルトサイト運営組織が取得したということなのでしょう。

 上記記事には「日本盆栽協会が業者に委託して運営」とありますが、ここでも某病院のように「業者が適切に対応しなかったから…」と言い出すのではないかと危惧しています。委託業者側も委託元から「ドメイン更新は不要です」と言われたら止めるでしょうし、終了後のことまでは知らないというスタンスでしょう。これは日本盆栽協会側の問題でしょう。

 こういう問題が起きないようにするためには、bonsai-kyokai.or.jpドメイン下にサブドメインを切るようにすべきだったんでしょうね。しかし、中の人にこういうことを理解している人がいなかったor理解している人はいたが、上司が理解出来なかったのかもしれません。

 サブドメインを切るのが面倒だからと、新たにドメインを取得したのではないでしょうか。.jpドメインや.comドメインなどは取得が容易ですが、一旦手放してしまった場合、どのような組織や個人が再取得するかは分からないという認識が欠けていたのでしょう。こういう問題を起こさないように、ドメイン管理料は支払い続けないといけないという発想には至らなかったのでしょうね。

 安易にドメインを取得すると、後々こういう問題が起きるということを認識しておいてほしいものです。墓場まで持って行く覚悟がないなら、安易に新規ドメインを取得せずに、従来のドメイン下でサブドメインを切る方向で検討して下さい。たとえ組織内手続が煩雑であったとしても。

トレンドマイクロ社の一連の騒動に関して

 こんばんは。App Storeからトレンドマイクロ社のiOSアプリが消えたことに関するコメントがアップされていました。

www.trendmicro.com

 App Storeから消えてかなりの時間が経過してのコメントでした。いろいろと引っかかる点が多い記事でしたね。自社が行ってきたことに関して正当性をひたすら主張するという印象の強い記事でした。「情報セキュリティ企業だから、各種情報収集は認めてね♪ ユーザーのセキュリティ確保のための情報収集は先回りしたものもOKだからね。」ということになりますね。「情報セキュリティ確保のためには何をしてもいい」と取れる内容はいかがなものでしょうか。

 個人的に問題だと感じたのは、医療業界を引き合いに出して今までの行為を正当化しているところでしょうか。傾向分析はしますが、無断で情報を入手して分析することはありません。医療業界が勝手に情報収集していると誤解させるような文章はいただけないです。

 全体論としては、開き直ったコメントで一企業としてでなく、情報セキュリティ企業全般に広げた見解として発表する形はたいへん拙いですね。

 

 zdnetトレンドマイクロ社における一連の騒動に関する記事が載っていました。

(この記事に関して、いろいろ意見があるるようですね…)

japan.zdnet.com

  他のユーザー情報収集も行われていたのではないかという点や、セキュリティとは直接関係ないアプリでもブラウザ履歴情報を収集していたことに対する疑問をぶつけています。それに対して、「セキュリティ目的でないアプリでの情報収集・利用が当該アプリで提供される機能の実行に必要」というのは、回答になっていませんね。普通に考えれば、使う必要のない情報ですよね。それをなぜ取得するのか?「何か裏があるんじゃないか?」」と勘繰りたくもなりますよね。

 他にも問題は存在し、「これだけ騒がれているアプリが未だに店頭販売されている点についてのコメントがない」ということでしょうか。これが自動車や家電製品ならリコール対象になり得る代物なのですが、トレンドマイクロ社が明確なコメントを回避していますね。医療になぞらえた言い訳をするのであれば、即座に回収すべきでしょうね。

 情報セキュリティ企業や総務省経産省などが今後どのような対応をしてくるのか、顧客として利用している組織がどのような対応をするのかを見守って行く必要がありそうです。

iOS12.1にアップデートしてみました(Apple新製品イベント関連)

 こんばんは。今回はショートバージョンです。10月31日早朝にApple新製品イベントがありましたね。新iPad Pro にUSB-C端子が採用されたり、メモリが1TBになったりだとか、Mac miniフルスペックにすると、50万近く行くとかいう話も出てきてましたね。

(個人的にはiPad mini 5がリリースされなかったことが残念ではありました)

 新製品発表と合わせて、iOS12.1がリリースされました。ITmediaの記事からです。

www.itmedia.co.jp

 いくつかの機能強化や新機能があります。

  • グループFaceTime対応
  • eSIM対応
  • 絵文字追加

 などがあります。他に不具合修正やセキュリティフィックスがなされているようです。個人的に気になっているのがeSIMです。XSやXS MaxやXR限定の話になるようですが、残念ながらまだ日本では使えないようです。(SoftBankは対応を表明しているようですが、時期未定だそうです。)キャリア3社が現時点で未定ということですから、MVNOも同様でしょうね。(キャリア(MNO)が対応してからになるんでしょうかね)

 フルMVNOになっているIIJmioが今後どのような対応をしてくるのかが気になっています。現状ではMVNOではApple Watch LTE契約不可ですが、eSIM対応が実現すれば、可能性が広がるのではないかと期待しています。

 私の方はiOS12.1リリース当日にiPhoneSEとiPad mini 4をアップデートしてみました。今のところ不具合などは見られません。バッテリーの持ちに関しては、現時点で判断しづらいです。もう少し様子見かなと。

「外注すればしまい」というわけではない話(2)

 こんばんは。先日の話の続きになります。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 宇陀市立病院の電子カルテマルウェア感染に関するプレスリリースを読んでいて、「外注したから委託業者の責任で、うちらに落ち度はないんです!」と受け取れてしまう点が気になっていました。

 外注とは全てを委ねるものではないという点

 「外注=全て丸投げ」という感覚に違和感を抱いていたのは、どこから来るのものかと考えていました。「あ、これか!」と気づきました。

 たとえば、部屋や換気扇や浴室などの掃除を業者に頼んだとします。やってきた清掃業者を家に招き入れ、掃除をしてもらいます。掃除が終わった時点で確認書にサインして支払いを終えて帰ってもらうことになります。

 ここで、やってきた業者に「掃除しといてね。代金はこれで。」と言って、代金を渡し、鍵を預けて出かけたりしますか?普通はしませんよね。もし、この業者が悪意があって、勝手に家探しして現金や貴重品を持って帰ったり、合間を見て勝手に合鍵を作ったりされたら…というようなことがあったらどうでしょうか?

 そのようなリスクを考えて、業者作業中は自宅にいるのが普通ではないでしょうか。

 自宅では気を付けるのに、これが電子カルテを含めた各種システムになると、完全丸投げ(うちらは客側だから知ったことではない)となるのはなぜでしょう?システムに関しては、どこか他人事意識があるのではないでしょうか。

 自宅に招き入れる清掃業者と同じような考え方で臨めれば、少しずつ変わって行きそうです。