NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

NHKワンセグ受信料裁判二審判決が出てました

 こんばんは。ワンセグ受信料裁判の行方が気になっていたのですが、先日東京高裁での判決が出たそうです。こちらは産経新聞の記事からです。

www.sankei.com

 ワンセグ対応スマホを持っていることが「設置」なのか?

 「ワンセグチューナー内蔵携帯電話を所持している者は受信設備を設置した者」にあたるという判断がなされました。「携帯」ではあるけど、「設置」と言い張るにはかなり無理があるんじゃないでしょうか。「設置」というのは、乾電池式ポータブルテレビが登場する前の概念ですよね。テレビ受信機は「設置」しないと視聴出来ない代物でした。AC電源100Vを必要としますし、屋外アンテナを立てて接続しないと受信不可です。ポータブルテレビが出てきた時点でも、単一電池9本必要とするような機種が不通にありましたので、結局は「設置」して見ていたんですよね。その後、カラー液晶ポケットテレビが登場しました。消費電力が大幅に抑えられましたので、単3アルカリ電池4本~6本で動く機種が主流でした。それでも、こういう形の裁判は特に起きてなかったように記憶しています。

 昔はテレビ単体の機器がほとんどだった

 これは「テレビ受信機単体である」ということが大きいのでしょう。購入者はテレビ放送を受信するという明確な意志があることになります。これではNoとは言いにくいという事情もあったのでしょう。

 他にラテカセというラジカセにテレビが搭載された機種がありました。ラテカセはテレビが中心機能として据えられていて、ラジオやカセットレコーダーは脇役扱いになっていました。少なくともアナログ放送のみの時代はテレビが主役扱いだったかと思います。

 地デジ化で時代の流れが変わりました

 2004年あたりに始まった地上波デジタル放送で、ワンセグ放送も開始されました。同時期に携帯電話(当時はガラケーオンリー)にワンセグチューナーが搭載された機種が発売されました。それまでにSoftBankがアナログテレビチューナー内蔵機種を発売していたことがありました。(バッテリー消費が激しいという問題がありました)

 デジタル化されたことにより、バッテリー消費を抑えることが出来るようになりました。「テレビを見てたら電話着信出来なかったり、メールが受信出来なくなったりということはなくなった」という声もあったようです。

 ガラケーからスマホにシフトして、国内メーカーの機種はワンセグチューナーを搭載していました。対して、海外メーカーはiPhoneをはじめとして、非搭載機種が主流でした。(逆に搭載していた機種があったかどうか失念)

 この頃から特にテレビ離れが激しくなってきたように思います。自宅に据え置き型のテレビもないし、スマホワンセグチューナーも搭載されていないというケースも少なからず耳にすることがありました。iPhone利用率が高いことを考えると、わざわざワンセグチューナーを購入する人の方が少数派でしょう。Android機だと内蔵されている機種もありますが、それでも見ないという人も少なくないようです。

 スマホガラケーではワンセグ受信機能は「おまけ」でしかない

 今までテレビは「主役」でしたが、スマホガラケーの場合は、電話が主機能です。ワンセグは付属機能のうちの一つに過ぎません。テレビ受信機能がおまけになるということはこれまでは考えられませんでした。おまけ機能が取り外し出来ず、強引に受信料徴収対象になるのはいかがなものでしょうか。ワンセグ受信は主機能ではありませんから、受信料強制徴収するつもりであれば、無償でワンセグ受信機能を責任もって取り外すべきでしょう。でなければ筋が通りません。放送法自体が現代に適合していないのだと思います。時代に合ってない法律を基に判決を出すこと自体に無理があるのではないでしょうか。たぶん原告が上告することになろうと推測しています。最高裁での判決に注目してみたいと思います。