NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

LINEモバイルがSoftBank傘下に入るということは…(2)

 こんばんは。先週金曜日(2月2日)の記事の続きになります。「この時期にLINEモバイルSoftBank傘下に入るのが一体何を意味するのか?」ということが少々気になって、(1)を書きました。

 MVNOで唯一年齢認証出来ること」を売りに参入しましたが…

 大手キャリア3社と違って、MVNOでLINEを使おうとすると、年齢認証で引っかかります。LINEモバイルでは年齢認証可ということをアピールしてました。LINEはある種コミュニケーションツールとしてインフラ化しています。なので、MVNOで利用しているユーザの一定数が流入してくることを狙っていたのだろうと推測します。

 しかし、実際はそうではなく、MVNOユーザは年齢認証が可能なことをさほどメリットだと考えなかったのでしょう。このあたりでも思惑が外れたのでしょう。そして、年齢認証を必要と考える層は大手キャリアから離れなかったということだったと思われます。

 「LINE利用パケットは通信容量にカウントしない」と打ち出したものの…

 これもLINEモバイルの大きなセールスポイントの1つになっていましたね。自グループのサービスですから、ノーカウントにするのはMVNO選択の判断基準になると考えたのでしょうね。でも、それで雪崩を打って乗り換えるという風にはならなかったようです。その証拠に、LINEモバイルが大手MVNOのシェアの一角を喰っているようには見えませんでした。

 OCN・IIJmio楽天モバイル・mineoの4強のどれかを押し出したという話は効きませんでした。このあたりからしても、かなり苦戦したのだろうなと推測されます。

 LINE以外のSNSもカウントしないサービスも提供してますが…

 SNSカウントフリーというやつですね。TwitterInstagramFacebookなどの有名どころのSNSを通信量にカウントしないというサービスです。大手キャリアや他のMVNOとの差別化を図る際の切り札に出来るという判断もあったのだろうと推察します。

 「各種SNSを利用する場合はカウントしない」ということは一見良さそうに思えますが、通信しているパケットが指定のSNS宛の通信なのか、全く関係ない通信なのかを調べる必要があります。「どこに対する通信か?」ということをチェックしていること自体が通信の秘密を守っていないことになるのではないかという見解があります。この点を批判されることがあるのも多少なりとも影響していそうです。

 誤算続きと体力勝負フェーズに突入したことも影響してるかも?

 参入当初の目算が狂ったのでしょう。と、値下げ競争と大手キャリアの値下げ攻勢も大きく影響しているのでしょう。「特徴がないと生き残れない」と言われていますが、切ったカードが特徴にならなかったんですよね。結果論ですが。

 SNSカウントフリーも収益を圧迫している要因の1つでもあるでしょうね。加入者がMVNO大手4社に比べて少ないとなると、当然収入も少なくなります。力尽きる前に提携先を見つけなくては…と考えていた矢先に出てきたのがSoftBankといったところでしょうか。もしかすると、SoftBank回線を使ったMVNOとして売り出そうとしているのではないかと妄想しています。

 出資割合は51%となっていますが、100%子会社化されるのかどうなのか注目して行きたいところです。