NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

MVNO各社の今後の方向性を考察してみるなど(2)

 こんばんは。一昨日のお話の続きになります。一昨日の記事はこちらです。

karasuma-kitaoji.hatenablog.com

 一昨日は楽天のMNO化への舵の切り方について少々書いてみました。大手MVNOとされる5社(OCN、IIJmio、mineo、楽天モバイルBIGLOBE)のうち、親会社がISPでも通信事業者でもないのは楽天モバイルだという指摘をしました。ここは邪推ですが、「通信事業者としてのバックボーンがないと生き残れないのではないか?」と考えた上での無茶な参入宣言なのかもしれません。

 さて、今日の本題に入ります。残る4社が今後どうするのか?という点について考えてみます。IIJmioはフルMVNOを目指して行くようです。自前設備増強でSIM発行やサービスの自由度を上げて行こうという考え方です。敢えてMNOにはならず、身軽な状態で他社とのサービスで差別化して行こうとするというスタンスだと推測されます。

 そして、docomoau回線両方に対応しています。

 OCNはIIJmio同様、老舗でシェアも高い定番MVNOという位置を占めています。NTTグループの安心感もあるのでしょうか。特に慌てている風には見えないようです。もしかすると、nttdocomoのサブブランドとして生き残ることも視野に入れているかもしれません。(もちろん推測ですが)

 mineoの場合はサービス提供側との距離を縮めて、ユーザーをしっかり掴んで行こうとしている印象があります。「マイネ王」というユーザコミュニティを構築したり、ユーザ間でパケットの授受が出来る「フリータンク」などの奇抜なサービスを前面に押し出しています。知名度のハンデもありますが、東京でも確実に足場を築きつつあるようです。あと、IIJmio同様、docomoau両方の回線をサポートしている点も強みです。

 そして、BIGLOBEもmineo同様にdocomoau回線両方サポートしています。これはKDDIに買収されたことによる影響も大きいと思われます。バックボーンが老舗のISPということもありますし、昔からのユーザーにとっては安心感があるのかもしれません。

 ただ、KDDI系ということで、UQmobileとバッティングする点が気になります。将来的に統合という可能性もゼロではなさそうです。

 こうしてみると、楽天モバイルを除く4社はインターネット接続において、ユーザーからユーザーから一定の評価を受けていることが強みになっているのだと思います。単純にユーザー数の多さだけでは語れない、しっかりとした技術力が背景にあるということがMVNOとしての必要条件なのかもしれません。

 その昔、ISPが雨後の筍のように乱立しましたが、残った事業者は技術力のあったところではないかと思います。同じようなことはMVNOにおいても起きるのではないかと睨んでいます。