無許可RT騒動に思うネット上の「マナー(!?)」の変化(後編)
karasuma-kitaoji.hatenablog.com
確かに、こういう新旧ユーザ間での「ルールやマナーの対立」というのは昔から存在しました。そこまでは行かずとも、「なんかこれ拙いんじゃないの?」「本当に大丈夫?」と思えるようなサービス内の暗黙のうちのローカルルールに不安を感じることはありました。
mixiやFacebookの実名制のルールには不安を感じていました
自分自身がパソコン通信を経験してからインターネットの世界に入ってきたものですから、インターネット上での実名強制サービスについては「?」と思っていました。
パソコン通信であれば、運営側がコントロール可能な閉じた環境ですから、そこはあまり心配していませんでした。(当時、インターネットが一般的に利用がほとんどなされていない状況であったことも影響してますが)
まず、mixiに関しては招待制ということもあり、京都祇園で言うところの「一見さんお断り」的要素があったと思います。運営側がコントロールしきれなくても、「紹介者がいる」ということで担保されていると認識されている節があったのではないでしょうか。
mixiというと、自分の中で最も衝撃的だったのが、某電機メーカーに勤めていた(今はどうか知りませんが)男性がPCの管理が杜撰だったために、マルウェアに感染してしまい、P2Pソフトウェアを介して自分の素性と、彼女のあられもない姿の画像データが派手に流出してしまうという事件が起きました。
そもそもセキュリティ対策が出来ていない・安易にP2Pソフトを使っていたという問題は前提としてありますが、「mixiだし大丈夫だから」というような根拠で彼も彼女も実名登録していたことがさらに傷口を広げてしまったように思えます。
そういう事件の記憶から逃れられないせいか、どうも実名強制サービスには抵抗がありました。その後、FaceBookが普及してきましたが、アメリカ発祥ということもありますし、実名制に関する考え方の違いも当然存在します。利用の際に本名をはじめとする「出したくない個人に関する情報」を提示しないといけないという点に抵抗があって、現時点では利用していません。それに、「Facebook運営が用意する囲い」だけでは、現状では簡単に紐付けされてしまうということに大きな抵抗感があります。
各SNS毎に異なるルールを他のSNSに持ち込むのはNG
Facebookの話が出たところで、他のSNSを含めて考察してみます。LINE・Twitter・Instagram・YouTubeなど様々なSNSが存在します。それぞれ提供しているサービス内容は異なります。ユーザ層も異なります。(当然、重複してアカウントを持っておられる方々は多いですが)
なので、自分が普段使っているSNSでの公式ルールを他のSNSに持ち込むのは軋轢を生むことになります。「Facebookでは実名制なのだから、Twitterでも実名登録しろよ!」などという押しつけが考えられます。この場合は「Twitterでは実名登録を強制してないので、別にHNでも問題ないです」という返しが正しいかと思います。(もちろん、実名の方がメリットが大きいという方の実名登録については否定する理由はないですね。)
そこはSNSの違いによってルールが異なるのですから、「郷に入れば郷に従え」でしょうね。ましてや、定義されていないマイルールを他のユーザに強要するのもアウトだと思います。「無許可RTお断り」についても、鍵アカウントという設定が運営側から提供されているのですから、そちらを利用すれば済む話でしょう。他人にマイルールを強いずに済む回避策があれば、そちらを使うようにして、それでも支障があるのであれば、他のSNSを使うしかないでしょう。
利用者の母数が増えてくれば、利用者層の均一性も崩れてきます。思わぬ方向に振れてしまうこともあり得ます。今回の「無許可RTお断り」の事例も、複数のSNSがスマホアプリとして同列に並んでいて、「スマホの中のアプリだから、どれも一緒」と考えてしまっていそうです。各SNSの区別がつきにくい利用環境も原因の一つなのかなと見ているところです。