NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

【超直前】医療情報技師検定試験(情報処理分野)向けにOSI参照モデルについて少々(1)

 こんばんは。20日の医療情報技師検定試験まで1週間を切っていますが、直前に頭の片隅に入れておいていただくと、もしかすると少しは役立つかもしれないネタを少々。

 タイトルにもありますように、ネットワーク関係では基礎知識になる「OSI参照モデル」についてですので、「そんなことは十分知ってるわ!」とおっしゃる方はさらっと読み流していただければと思います。

 医療情報技師やITパスポート/基本情報受験者の方向けに書けないかと

 この記事を書こうとしたきっかけは、Twitterでのフォロワーさんのツイートがきっかけになりました。「フォロワーさん(ですので、この場合の当事者はフォロワーさんのフォロワーさんということになりますw)が自宅のインターネット接続環境で有線も無線も接続出来ない。DNS関連の問題もあるのかな?」(意訳)といった内容でした。そこで、「LANケーブルがちゃんと刺さっているかとか、断線してないかとか、リンクランプが点灯しているかなどの物理層から確認して行って、順番に上位レイヤを確認して行くと問題の切り分けが出来ると思います。」とリプしました。

 この後、「「〇〇層」という表現がピンと来ない。「第〇層」という表現も分かりにくくて混乱してる。」(意訳)といったようなリプをいただきました。

 OSI参照モデルの階層を記述してみました

 そこで、定番化してはいますが、OSI参照モデルを医療情報技師やITパスポート・基本情報受験者向けに説明してみようかと思い立ちました。

 以下のような階層になります。

【第7層:アプリケーション層】

【第6層:プレゼンテーション層】

【第5層:セッション層】

【第4層:トランスポート層

【第3層:ネットワーク層

【第2層:データリンク層

【第1層:物理層

 郵便配達に例えられることが多いので沿ってみます

 複数階層に分かれていて、それぞれ分業体制になっています。OSI参照モデルを説明するのに使われる例えですが、郵便配達の流れですね。手紙や小包を郵便局窓口に持って行って、相手に届けてもらうようにお金を払うイメージですね。

 徹底した分業体制

 郵便物を窓口に持って行く人にとって重要なことは、相手に(出来るだけ早く)確実に届けてもらうことですよね。窓口に郵便物を渡した後にどのような交通手段で集配するのか、どのように仕分けをするのか、相手に届ける際に自転車で配達するのか、あるいはバイクなのかなどということは別にどっちでもいいことですよね。「確実に届く」ということが重要なのであって、届くまでに使うツールやプロセスには興味を持たないですよね。

 逆に配送に関わる人にとっては、自分の責任範囲外のことにはノータッチですよね。受付郵便局から集配郵便局に運ぶ人にとっては、集配郵便局から先の配送ルートについて知らなくても問題はありません。集配郵便局間を配送する人にとっては、無事に配送先の集配郵便局に到着すればいいわけで、トラックに積んだ個々の郵便物の宛先までは気にする必要はありません。集配郵便局に届いた郵便物を配送する人は、宛先に的確に届けることに注力すればいいことになります。それまでがどうだったかを意識する必要はありません。

 インターネットの仕組みも分業体制

 郵便配達と同じイメージで考えてもらうと良いかと思います。例えば物理層の場合だと、通信する物理媒体が有線か無線かが問題になって、有線の場合は何を使ってどうやってつなぐか、無線の場合は何を使ってどうつなぐのかという話になります。有線だったらLANケーブルなのか、光ファイバーなのか、同軸ケーブルなのかetc…。無線だったら、Wi-Fiなのか、Bluetoothなのか、3G/LTEなのかetc…というように媒体の違いに関係なく「物理的につなぐ」ことを目的とします。あくまで「どのような手段でつなぐのか?」が物理層では問題なのであって、その上にある「どこ(宛先IPアドレス)に送るのか?」「どのプロトコル(TCPUDP?)で送るのか?」「どんなプロトコル(http?smtpIMAP?)」などということは気にする必要はありません。これらに関してはカプセル化(パッケージ化されている)されているので、物理層では意識する必要はありません。ちょうど、集配郵便局間を配送する人が積み荷の個々の宛先や、書留なのか速達なのか、普通の郵便物か小包なのかなどは気にせず目的地に届けることに専念すればいいことと同じです。

 インターネットの場合も同様です。物理層で受け持つのは機器と機器を物理的(無線の場合も含む)につなぐことに専念し、「どこに送り届けるか」や、「どういうアプリケーションを使うのか」や、「どのようなデータを送るのか」や、「どうやって確実に送り届けるか」ということは上位層に丸投げします。

 長くなりましたので、第2層(L2)より上の話は(試験に間に合うように)明日以降にしたいと思います。<(_ _)>