NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

i-dio放送波終了へのカウントダウンなのか?

 こんばんは。ついにGWも終了してしまいましたね。9連休、5連休、GWは関係ないという方々いろいろおられたかと思います。いよいよ通常モードに戻りますが、無理なさらずにボチボチ身体を慣らすということでいいんじゃないでしょうか。

 アナログTV1〜3ch跡地の利用状況

 さて、今回はi-dioです。マルチメディア放送ということで、地上波デジタル放送移行に伴い、空いたアナログテレビ放送V-Lowチャンネル(旧1〜3チャンネル)の領域を使った放送です。具体的には90〜108MHzなのですが、90〜95MHzはAM局が難聴取対策としてワイドFMに使われています。大阪であれば、ABC(93.3MHz)、MBS(90.6MHz)、OBC(91.9MHz)で、東京であれば、TBS(90.5MHz)、文化放送(91.6MHz)、ニッポン放送(93.0MHz)、名古屋であれば、CBC(93.7MHz)、東海ラジオ(92.9MHz)といったところです。Twitter上で見ていても、結構激しくリークオーバーするみたいですね。

 在阪3局の電波が名古屋方面でもけっこう受信出来るというレポートがあります。地形的なものも大きく影響しているのでしょうか。生駒山の標高があるという点も大きそうです。在京3局も関東1都6県以外にも飛んで行く事例報告もありました。

 既存FM局より出力を抑えているケースが多いです。(少なくとも上回るケースはないです)それでもかなり電波が飛んで行ってます。東名阪の8局だけではなく、最近は他地域でも開局してます。AM47局全てに割り当てがありますから、全局開局する可能性はあります。そうなると、5MHz幅ですから混信する局・地域が出て来ることが予想されます。このへんを考えると、5MHzでは少ないのではないかと思います。

 i-dioの現状なんですが…

 ここでようやく本題に入ります。この上の周波数である99〜108MHzを使って(95〜99MHzはガードバンドとなり、使われていません)、i-dioと呼ばれるマルチメディア放送が行われています。確かTOKYO FM系の各社が出資だったと思います。

 ここで問題になってくるのは、「受信するためのチューナーが簡単に購入出来ない」という問題があります。正確に言うと、「i-dio放送波を受信しようと思ってチューナーを買いに行こうと思っても、どこに行っていいか分からない」という点でしょうか。

 本放送開始前にモニターと称して、チューナーを無料配布していました。しかし、このチューナーはスマホWi-Fi経由で接続するという代物でした。アドホックモードで接続するわけですから、i-dio聴取中はインターネット接続出来ないという困った代物でした。

 結果、あまり普及してません。実際にチューナーで聴いている人を見掛けたことはありません。室内ではロッドアンテナだけでは受信が厳しいようです。外でも安定しないという風な話もあります。これでは使いづらいです。

 「i-dioでないと」と思わせるコンテンツは果たして存在するのか???

 最大の問題は「i-dioでないとダメなキラーコンテンツがあるのか?」という点でしょうか。積極的にi-dioを聴く動機となる番組が見当たらないという問題が大きそうです。

 そして、「放送波でないとダメな理由」が見当たりません。インターネット配信していて、スマホアプリがあるのですが、「インターネット配信で事足りるなら、放送波は要らないんじゃないの?」ということになりそうです。それなりのコストもかかっているでしょうし、全国展開を考えたら無理に放送設備を整備せずに、インターネット配信に特化すればいいんじゃないかという論調になりそうです。

 仮にそうなった場合は99〜108MHzの枠を明け渡して、ワイドFMやコミュニティFMに割り当てる方が電波を有効活用出来そうです。ワイドFMも中継局設置のこともあるだろうと思います。その場合、95MHzまででは窮屈なことになりそうです。コミュニティFMも既存FM局の隙間を狙って放送しないといけないのはしんどいだろうと思います。

 108MHzまで受信出来るラジオも多くなってますから、案外心配は要らないようです。「空いた周波数を使って新しい放送形態を導入した」という実績が欲しいだけなんでしょうか。総務省的には。