NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

チャイルドフィルターの疑問点(1)

 こんばんは。昨日の続きになりますが、VPN+コンテンツフィルターのお話になります。トレンドマイクロも暗号化していない無線LANの盗聴対策となるVPNサービスとコンテンツフィルターを組み合わせたアプリを販売しているということを書きました。

 個人的にはVPNサービスとコンテンツフィルターは別々に提供すべきだという風に書きました。トレンドマイクロの場合は、セキュリティ企業としての実績がありますのでまだいいのですが、ここで問題になっているのが「チャイルドフィルター」です。これもスマホタブレットからVPNでプロキシサーバに接続して、フィルタリングするという代物です。

 この「チャイルドフィルター」を提供しているのが、サイバーセキュリティ財団という財団法人です。今まで耳にしたことがない組織ですが、「財団法人が提供しているソフトウェアだから大丈夫だろう」と無条件に信用してしまう懸念があります。この財団は寄り合い所帯で、組織として特に実績がないという点が気になります。

 単にVPNサーバまで接続するというだけであればいいのですが、ここで問題になってくるのは、プロキシサーバに接続してコンテンツフィルタリングする点です。どのサイトをフィルタリングするのか、どのサイトを通すのかということは分かりません。プロキシサーバで取得したユーザのアクセス履歴をどのように利用されるのかは全く分かりません。

 このサービスの「お預かりする個人情報の取扱いについて」の項目が気になります。ログの自由な利用と、分析情報の第三者提供を積極的に行おうとしているようにも読めてしまう点が少々気になります。

「ブロックされたアクセス履歴も含めて、勝手に利用されるのではないか?」という不安が残ります。単純に無線区間の暗号化を施したいだけであれば、VPNサービスの提供だけでいいはずです。コンテンツフィルタリングによるアクセス履歴情報を収集したいがために、おまけでVPNサービスを提供しているようにしか思えません。

 どうも引っかかる点があります。個人情報の利用範囲が広く取れるように思えて、その点が気になってしまいます。有無を言わさず財団のプロキシサーバに接続され、アクセス履歴を収集されるという疑念が消えない点が引っかかりますね…。