NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「サイバー犯罪捜査官を辞めた顛末など」を読みつつしみじみと

 こんばんは。昨日はてなブックマークでかなりのコメントがついていた「サイバー犯罪捜査官を辞めた顛末など」が気になったので、じっくり読んでみました。

 ちなみに記事はこちらです。

d.hatena.ne.jp

 典型的なアナログ+体育会系職場なんですね。警察組織って。「何を今さら」と言われそうですが、テレビドラや映画で見る分には特殊技能を如何なく発揮しているように見えますよね。

 しかし、現実は違ったということのようです。難関試験を突破して、高度なITスキルを駆使しつつバリバリ最前線で働く…というのは理想像だったようです。

 現実は慣れない事務処理に翻弄され、テクニカルな会話も出来ず、理不尽なパワハラに悩まされる日々だったようです。言葉が通じない国に1人で放り込まれたようなもんですよね。共通言語を持ち合わせていないのはつらいですね。表面上は「日本語」であっても、別の人種と話しているような錯覚に陥りそうです。orz

 情報セキュリティスペシャリスト持ちで、実務経験を要求されるとなると、技術的業務中心になると普通は考えますよね。しかし、実際に待っていたのは事務処理だったというのが悲しいです。ドラフト1位でピッチャーを指名したのに、実際にやらせることが球団本社の経理だった…みたいな感じでしょうか。球団本社経理に配属ではいくら豪速球を投げる能力があっても無意味ですよね。

 何かそれに近いミスマッチと絶望感がうかがえました。私もテクニカルな業務を期待されているものと思って実際に入ってみたら、待っていたのは事務処理と管理職としての能力だったという経験があります。上手く行かずに、なんとか出来るところから手を付けて行こうとしましたが、それを許してはもらえませんでした。

 そんな状況ですから、「ITスキルが必要とされないのなら、自分でなくてもいいよな…。」なんて思ってしまいます。

 きっと、この筆者さんもそうなんだろうと思います。「せっかく配属されたんだし、期待に応えるべくなんとか頑張ってみよう」という気持ちがあったんだろうと思います。日々つらい気持ちを必死に堪えて頑張ってきたのだと思いますが、ある瞬間の小さな出来事で心の水槽が崩壊したんだろうなと思いました。ある日突然壊れるわけではなく、日々の小さい出来事の積み重ねなんですよね。なんとかギリギリ踏ん張っていて、「なんでこんなことで…」と思うようなことで壊れてしまう。側で見ている人には些細なことに思えても、本人にはどうしようもなく耐え難かったのだと思います。

 こういう記事を読むにつけ、採用側ももう少しなんとか考えることが出来なかったのかなと残念でなりません。今までなかった業務に対応する人材を外部から採るに当たっては、その人の能力を最大限に発揮出来る環境を整えて、動きやすいようにすべきだろうと思います。

 でも、実際に採用する側にはそのへんの配慮が思い至らないのだろうなという気がしてなりません。いっそ、組織毎外部から人を引っ張るぐらいにして、好きにやらせるぐらいの覚悟は必要なんでしょうね。

 そして、都道府県警ごとに組織を作るのではなくて、警察庁として一括で組織化する方が各人の能力を発揮しやすいのかもしれませんね。