NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

電子カルテネットワークの高速化

 こんばんは。今日は電子カルテネットワークの高速化に関する話題を取り上げてみたいと思います。記事はYahoo!ニュース(毎日新聞)からです。

headlines.yahoo.co.jp

 この記事によると、群馬大医学部附属病院とNEC子会社とのコラボで実現したもののようです。ここで指摘されているのはLANケーブルのことが中心になっています。たぶん、CAT5eなりCAT6なりCAT7なりを使っているという想定なんでしょうね。確かにカテゴリーを示す数値が大きくなっても、さほど速度が向上しているわけではないことが以下のサイトより分かります。

LANケーブル種類・カテゴリーによる通信速度比較(ベンチマーク)

 他の要素として、L3・L2スイッチの性能の問題もあるのでしょうが、この記事では特に触れられてはいません。ネットワーク機器も高速化対応がなされているのでしょうね。単純にLANケーブルを光ファイバーに置き換えただけでは、さほど効果も期待出来ないであろうと推測します。

 それだけでなく、サーバとクライアント間の通信量を抑える仕組みも同時に導入しているようですね。毎度毎度サーバのデータをクライアントにダウンロードしないように工夫がなされているようです。極力「無駄な通信」を発生させないようにすることも意識されているようです。この記事からは、APのチャンネル設定も干渉を起こさないように設計されているものと思われます。

 高速化の話ではありませんが、PHSを別回線で動かしていたのを電子カルテネットワークに収容して統合したようです。正確に言うと、PHSではなく、スマホにリプレイスしたようです。帯域的に余裕が出てきたことでデータ通信と音声通信の統合が実現したというところでしょうか。PHSを動かしているネットワークを廃止出来るメリットは大きそうです。もし、系列病院とのネットワーク接続があった場合には、内線電話の共通化もしやすくなりそうです。

 主にL1でのお話になりますが、画像データや動画データを多く利用するという電子カルテの特性上、ネットワークの高速化は大きな恩恵をもたらすものだということが分かりますね。