NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

「身体にしみ込ませる」(2)

 こんばんは。今回は昨日に引き続いて、Twitter上の医療クラスタな方々との勉強会&二次会での出来事について書いてみます。

 昨日の続きになりますが、医療機関でのお話になります。もしかしたら、他の業界でも同様の問題を抱えているのかもしれませんが、そのあたりはよく分かりませんので、ひとまず「医療機関でのお話」と限定させて下さい。

 お話をしていた相手の方も当事者なのですが、「医療機関には本来の意味での『ITのプロ』がいない」というようなことをおっしゃっていました。新卒で情報系職員を採用しても育てるノウハウや仕組みがありません。事務方は医療事務に特化した方々が多いです。しかも、どちらかというと苦手意識が強い方が多い印象です。医師の中に「ITに強い」とされている方もおられますが、あくまで「ITのプロ」ではなく、「ITに詳しいとされる医師」です。本業ではありませんので、「ユーザとしては詳しい部類」の域を出ないケースが多いようです。(もちろん、例外とされる方々もおられます。ただ、一般論としてということで…。)

 なので、ベンダに上手く要望を伝えられませんし、ベンダ側も要望を汲み取りきれないといった事態も起こり得ます。結果、使いづらいシステムのみが導入されて、誰も喜ばないという不幸な結末も十分考えられます。

 ここにベンダとユーザの間に入って通訳をしたり、ベンダ側の提案やユーザ側の要望を上手くシステムに落とし込むといったようなことが出来る人材が必要になってきます。医療機関側としては、こういう人材が欲しいと思っていても、どうやって採用したらいいのか分からないので採れないという問題があります。またITエンジニア側も医療機関への窓口というか、ポインタを見つけられないという問題を抱えています。双方共に接点がないのが不幸ですね。

 医療情報技師検定試験は医療機関に勤める方々にとっての医療情報の知識があることを認定する試験です。これが医療機関以外に勤める者にとってのポインタ機能を果たせるといいなとも思いました。何らかの形でITエンジニアが医療機関につながっているルートが確保出来ないかなと感じた土曜日なのでした。