NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

ノジマがniftyの個人向け事業買収の模様(少し追いかけてみた)

 こんばんは。ノジマniftyの個人向けインターネット接続事業を買収するとの報道がありましたね。

 こちらはYahoo!ニュース(ソースは時事通信社)です。

headlines.yahoo.co.jp

 日経にも出てましたね。記事はこちらです。ただ、ノジマ本体は昨日の時点では認めていませんね。

www.nikkei.com

 紙面の方を読んでみたのですが、「インターネット接続系事業と、メールやブログなどのWebサービスを売却」とありましたので、ニフティクラウド等の法人向けサービスは対象外だろうというのは確実なようです。なので、個人向けISP事業と個人向けWebサービスが対象のようですね。

 ここでMVNO事業については言及されてませんでしたので、たぶん対象外なのだろうと思われます。MVNOも個人向けインターネット接続系事業であると言えばそうなのでしょうが、電話もあるわけですから、もしMVNO事業も含まれるのであれば、言及するはずだと思われます。

 それに、ノジマ的にはMVNO事業の旨味を感じていないという風にも考えられます。MVNO事業者も乱立気味です。

 総務省発表のデータによると、2016年6月時点ではMVNO事業者数は580社だそうです。(以下を御参照下さい)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000439114.pdf

 過当競争気味ですし、大手6社(OCN、IIJmio楽天、U-NEXT、BIGLOBE、mineo)で2/3のシェアを占めています。その点を考えると、敢えてノジマMVNO事業を買収するメリットを見い出せないようにも思えます。

 個人向けISP事業買収は顧客サービスとの連動をもくろんでいるとも言われています。なので、個人向けISP事業とWebサービスを買収した(現時点では「しようとしている」が正しいことになる)のも納得です。

 個人的推測の域を出ませんが、niftyの個人向けISP事業はノジマに売却し、MVNO事業はKDDIに売却という風な可能性はあるのではないかと見ています。KDDI的にはISP事業にはあまり魅力を感じていないのではないかと推測しています。(DIONのことを考えると(ry)

 auとしての契約数やMNPでの他社からの移転の状況を考えると、BIGLOBEを買収したのも他社MVNOへの流出を少しでも食い止めたいという狙いはあるのだろうと考えられます。自前でdocomo回線を使ったMVNOを展開することは出来ないでしょうし、UQmobileとしてもdocomo系回線を使ってサービス提供はしづらいだろうと思われます。顧客確保のためにdocomoMVNOであるBIGLOBEを買収してマルチキャリアを標榜しようという狙いもありそうです。niftyMVNO事業者としてのシェアが小さいので、ノジマ的には旨味はないことは容易に想像がつきます。nifty内部でもMVNO事業が負担になっているのではないかという可能性も十分にありそうです。KDDIが買収して、BIGLOBEniftyMVNO事業を統合し、docomo回線を使ったサービスをBIGLOBEブランドとして売り出すのではないかと推測しています。(au回線利用のサービスは従来通りUQmobileで提供でしょう)

UQmobileがau回線を使ったMVNOであるが故に、使える端末の制約があるという問題もあります。docomoMVNOのようにdocomoで使っていた端末がそのまま使えるわけでなく、auで使っていた端末はSIMロック解除しないといけないとか、4Gしか提供されないので、3Gの電波が届いていても圏外になってしまう等の問題があります。

(VoLTE対応であることが条件になってくるとかいう問題もあったかと思います)

 このあたりを加味すると、niftyがバラバラに身売りされる可能性もありそうです。

 これをきっかけにMVNO業界も統廃合が大きく進んでくるものと推測されます。