NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

IIJがフルMVNOになるそうで。

 こんばんは。ITmediaの記事でIIJdocomoの加入者管理機能(HLS/HSS)連携に関する申し込みを完了し、承諾書を受領したとのニュースが掲載されていました。

www.itmedia.co.jp

 SIMカードの自前調達・発行が出来るようになるそうです。具体的な日程にまでは言及していませんが、来年度中には提供出来るとのことです。

 今まではHLS/HSS(Home Location Register / Home Subscriber Server)がdocomo側管理であったために、SIMカード管理データベースをMVNO各社でいじることが出来ず、SIM発行における自由度は低く、サービスも横並びにならざるを得ませんでした。しかもMVNO乱立状態です。価格についてもこれ以上の低価格化は自身の首を絞めることになります。差別化が難しく、体力勝負に突入してしまっています。そこで、どのように差別化して行くかという話になった際に、価格競争から抜け出すためにIIJmioは加入者管理機能連携に舵を切ったのだろうと推測します。

 ITmediaの記事にもありますように、海外キャリアとのローミングサービスも独自に提供出来るようになります。海外渡航時の利用がMVNOの弱みになっていたことはここからも分かります。海外でスマホタブレットを使おうとすると、現地でSIMを契約(購入)して自力で設定しないといけませんし、帰国したら自前で戻す必要があります。自力で出来る人にとっては問題ないのですが、誰かにサポートしてもらってMVNOのSIMを使っている人によっては、知らない土地で現地のSIMを契約(購入)して自力で設定する(帰国時に自力で再設定する)というのは至難の業だと思われます。

 この点一つ取ってもごく一般的なユーザにとっても十分ストライクゾーンに入ってくる選択肢になり得ると考えられます。ごく短期的効果としては少ないかもしれませんし、一般的なユーザへの訴求力は乏しいかもしれませんが、多くのMVNOから頭一つ抜け出して新たなサービスを展開出来る可能性がありそうです。この記事にもありますように、特にIoT分野での需要が期待出来そうです。通常のスマホタブレット利用ではない独自体系の課金が出来るようになることで、既存のパイの奪い合いではない新たな需要拡大に期待出来そうですね。