NW屋的日常徒然日記

ネットワークを専門にする元社内SEの日常とITネタ諸々を綴って行きます。

MXレコードについてあれこれ

 こんばんは。最近公衆無線LANが使える特急車が増えてきたというニュースをよく見かけます。例えば、南海電車関空行き特急「ラピート」や、JR西日本の「はるか」や、JR東日本の「成田エクスプレス」等は訪日外国人向けサービスとして展開しているということのようです。京王電鉄が新車両を作ることになり、公衆無線LANを使えるようにするとのことです。多くの乗客でシェアすることになりので、上流回線が細ければまともに使えませんし、動画を平気な顔で見ている乗客がいたらそれだけで使い物にならなくなる可能性も十分ありそうです。どうなんでしょうねぇ?車内公衆無線LAN

 さて、ここ数日DNS関連の話をしてますので、もう少ししてみようかと思います。今回はMXレコードについて少し書いてみようかと思います。今さらですが、MXとは、Mail eXchangeの略です。「配送先のメールサーバはこのマシンです」ということを送信元メールサーバに伝える情報です。例えば、ある会社(X社とします)でexample.jpというドメインを所有しているとします。この会社が問い合わせように設けているアドレスがinfo@example.jpだとします。一般的には@の前がユーザ名、@の後ろがホスト名だという風に言われています。しかし、X社にはexample.jpというサーバはありません。では、なぜメールが届くのでしょうか?ここでMXレコードが活躍してくれます。先ほど書きましたように、「配送先のメールサーバを示す情報」になります。X社のメールサーバがmail.example.jpだとすると、「example.jp宛に届いたメールは、mail.example.jp宛に配信してね。」ということを伝えるのがMXレコードの役目です。明示的に書くと、以下のような記述になります。
example.jp.  IN  MX  10 mail.example.jp.

 というような形になります。左辺の値は省略することが多いですが、ここで言う「10」はプリファレンス値で、優先度を示すものです。この場合ですと、mail.example.jpが落ちてしまったらメールを受信することが出来ません。そこでセカンダリサーバを設けて、プライマリサーバが転けた場合でもメールを受信出来るようにします。セカンダリサーバをmail2.example.jpだとします。これを踏まえると以下のような形になります。
example.jp.   IN  MX   10 mail.example.jp.
                     IN. MX    20 mail2.example.jp.
 といったような記述になります。プリファレンス値は小さいほど優先度が高くなります。ですから、mail.example.jpに配送します。このマシンが応答しない場合はmail2.example.jpに配送します。これでバックアップの役割を果たすことが出来ます。なお、プリファレンス値を同じにすると、ラウンドロビン式になるので、理屈の上では均等に配送されることになります。
 ということで、続きは明日にさせていただきます。